梅切らぬバカ (2021年)
作品総合評価 |
B |
少年の出番 |
10数分ほど。(キーマンの1人ではある) |
寸評 |
自閉症の息子の高齢化問題。少し光も... 【少年映画でない理由】出番過少。 |
映画情報など |
2021年公開。DVD発売中。 写真は斎藤汰鷹君。 |
例によって予備知識もないままWOWOW放送を録画。社会問題にもなっている8050問題。本作ではお笑い芸人の塚地武雅さんが演じることもあり、そんなに暗くは描かれていません。また斎藤汰鷹君が演じる心優しい少年の存在にも救われます。
庭の梅の木を見上げるソウタと隣家の母親。この梅の木はねぇ・・・
小学生のソウタ(斎藤汰鷹)が引っ越してきた家の隣は、自閉症の忠男(塚地武雅)と母親が住んでいた。忠男は自閉症だが引き籠りではなく、毎日作業所で働いている。ある日、忠男がソウタの家に入ってきた。父は激怒して忠男を叩き出す。しかし忠男はソウタが無くしたボールを持ってきてくれたのだった。
忠男は自立のため母から離れて施設に入居。ソウタは歩いている忠男をみかけて一緒に乗馬クラブの馬を見に行った。忠男は興奮して騒動に発展。忠男だけが警察に一時勾留された。さらに忠男のいる施設が住民の反対運動で閉鎖。忠男は母の家に戻ってきた。ソウタは忠男と忠男の母親に謝まりに行った。それでも忠男は前向きだった...
自閉症の忠男の家の庭には梅の木。枝が道路に大きくはみ出して近所迷惑になっており、母は何度も切ろうとしたが、この梅は忠男の亡き父が植えたもので、忠男にとって守り神か父親のような存在。どうしても切れなかった。
一方ソウタの父は隣家の忠男の存在が不快だった。勝手に家に入ってきた事をこれ幸いとばかりに罵倒して叩き出し隣家に怒鳴りむ。忠男の母は平身低頭して頭を下げるばかり。そんな父をみてソウタは尊敬の念を抱けたのでしょうか。
その答えは明白。それ以来ソウタは忠男に対して優しい眼差しを注ぎます。えらいなぁ。演じた斎藤汰鷹君の優しい表情。弱い立場の人が犯したミス。それをまるで水戸黄門の印籠のように掲げて攻撃する人たちの中で、ソウタのように違和感に気づける子供がいる事を嬉しく思います。
塚地武雅さん演じる中年の自閉症男。母親べったりではなく「結婚します」「大丈夫です」など前向きな言葉が目立ちます。もちろん時間への異常な拘りなどの問題もありますけれど。でも実際はこんな甘いものじゃないのでは。
家族で引っ越して来たばかりのソウタ。
学校ではまだ友だちはいない。
父の怒鳴り込み事件以来、ソウタは隣家に声をかける。
隣家のお母さんもそんなソウタを可愛がる。
深夜。忠男とソウタは乗馬クラブの馬を見に行った。
ソウタは忠男を喜ばそうと思って馬を外へ...
それが見つかった。犯人は大人の忠男だとされて。
施設から戻ってきた忠男を優しく見つめるソウタ。
あれだけ怒っていた父も実は優しかった。
※後記
塚地武雅さんの映画では2012年の『くろねこルーシー』が面白かった。塚地さんの息子役の少年が、全然似ていない美少年だったのも面白くて。またネタに困ったらレビューを書きます。