老人と木 (2007年)
作品総合評価 |
C |
少年の出番 |
10分ほど(全27分) |
寸評 |
最後のオチのおかげで駄作に。まさに蛇足。 【少年映画でない理由】出番過少 |
映画情報など |
2007年公開。DVD等なし。 写真は草谷翔君。 |
吉本興業の芸人が映画を製作した YOSHIMOTO DIRECTOR'S 100 の1作品。約27分の短編。まあまあいい雰囲気だったのですが、最後はお笑い芸人の性(さが)なんでしょうね。それでもBSよしもとchは結構な拾い物もあって重宝しています。
毎日、桜の木の下で座る老人。ふとみると横に見知らぬ少年が座っていた。
老人(谷津勲)は今日も桜の木の下で座っている。若い頃からずっとこの桜の木が好きだった。いや。この桜の木が恋人だった。毎日のように話しかけ、台風の日には桜を守った。気づくと老人に隣に少年(草谷翔)がいた。他の少年のように遊ぶこともなく、老人のそばに座っている。不思議な少年だった。
桜が伐採される事になったが、老人は弁護士と相談して、敷地を買い取る事で伐採は回避。一文無しになった老人は。桜の木の下で生活。それでもヤクザが立ち退きを迫るが、ヤクザの刃物を奪って自分の腹に。薄れゆく意識の中で少年が現れた。僕は神様。最後のお願いをきいてあげるよ。老人の願い。桜の声(思い)を聞きたい。
いきなりネタバレでオチを書きます。老人が一生をかけて愛した桜。当然女性だと思い続けていたのに。中年男の声で話し出した。ベラベラとどうでもいい軽薄な口調が止まらない。ショックが怒りに変わった老人はチェーンソーを持ち出して桜の木を切ってしまった。(切らなくてもいいのに)
老人の横に座っていた少年。実は神様でした。死が近づいた人にしか姿が見えないそうです。老人が結婚もせずに、長年にわたって桜を守ってきたお礼に願いをきくわけですが、こんな結末になるのは神様も判っていたはず。老人の人生の最後の最後にこんな罪を作らせてしまうとは。
地上げするヤクザの騒動。最後のくだらないオチ。まあ吉本新喜劇だと思えばいいのでしょう。せっかく少年の神様が出ているのですから、もう少し神様の出番も欲しかったところです。
少年は老人に優しい笑顔をみせる。
(草谷翔君。目を開いているカットが殆どなくて...)
河原で遊ぶ少年たちには神様の姿が見えない。
ボールが宙に浮いたように見え、少年たちは逃げる。
桜が老人にお礼を言うように葉を落とした。
(老人の命が短い事を桜も知っていたのか)
ヤクザの刃物で自分の腹を刺した。ヤクザは逃げた。
僕は神様。最後のお願いをきいてあげるよ。
※後記
桜の木はどこかの河川敷にあるような感じです。河川敷なら土地を私有することは困難じゃないでしょうか。この辺はよく判りません。まあこんな映画ですし、細かいことを突っ込んでも野暮ですので、ここまで。