アキラとあきら (2022年)
作品総合評価 |
B+ |
少年の出番 |
数分程度(主役の少年時代) |
寸評 |
バンカー(銀行家)の本分とは何か。理想と現実。 【少年映画でない理由】出番過少。 |
映画情報など |
2022年公開。BD/DVD発売中。 写真は榎本司君。 |
池井戸潤氏の小説を映画化。池井戸さんの小説といえば、空飛ぶタイヤ、半沢直樹、下町ロケット...など人気ドラマの原作ばかり。企業や経済などを描きながら浪花節的な面白さがあり、ストーリーテリングの上手さは抜群です。本作もその例に漏れず、のめり込んで鑑賞できました。
少年映画ではありませんが、境遇の異なる2人の青年。その出会いの原点が少年時代。出番は僅かですが、演じた少年俳優が心に残ります。2022年の映画がメインですが、2017年のWOWOWドラマ版の少年たちについても画像を掲載します。
大企業の御曹司あきら(左)と、倒産した町工場の息子アキラ(右)。
(この時は「王子と乞食」そのものの立場だった)
小学生のアキラ(榎本司)の父は小さな町工場の経営者。銀行から融資を断られて倒産。逃げるように引越し。しかしアキラは必死に勉強して一流大学に入り大手銀行に就職。一方、大企業社長の息子あきら(平野虎冴)は親族の争いに辟易して会社を弟に譲り、アキラと同じ銀行に就職。2人はライバルとなった。
アキラは企業を助けるのがバンカーの役目との理想に燃えるが、上司は鼻先で笑ってアキラを左遷した。一方のあきらは弟に譲った会社が危機に陥り、銀行を辞めて社長に就任。しかし会社は末期的症状。大企業だが助けてくれる銀行はない。そこへ左遷から復帰したアキラが、命をかけるように救済計画を立てた。無謀だ...しかし...
まあ少年映画とか関係なく面白い作品です。判官びいき。当然の事ながら町工場の息子アキラに感情移入してしまいます。家族同様の従業員から記念に貰ったベアリング。これを宝物のように大事にする心優しい美少年。銀行員としても成功して欲しい。
一方の大企業の御曹司。父は常識ある経営者でしたが、父の兄弟たちがクズ人間揃い。特にユースケ・サンタマリアさん演じる叔父の嫌らしさには見ていて腹が立ちました。こんな奴は最後に必殺仕事人にギャフンと言わせて貰いたいところでしたが、ちょっと甘い。
あきらは中学生の頃から父の帝王教育を受けていましたが、今一つ熱意が湧かない様子。一方のあきらの弟はそんな兄への反抗心も芽生えてくる始末。父が急死したのが、この大企業の運の尽き。弟に任せて敵前逃亡した兄あきらは、褒められたものではありません。
さて大人になってからの話は映画を見て頂くとして少年時代のエピソード。倒産してショックを受けたアキラが走っていて、通りかかった高級車に接触しそうになって倒れます。その手から宝物のベアリングが転がり落ちました。高級車に乗っていたのは、大企業の社長と息子のあきら。
あきらは車を降りて、ベアリングを拾い、自分のハンカチで拭いてアキラに渡します。2人の少年の目が合いました。これが2人の出会い。この時の2人はまるで「王子と乞食」。10数年後にライバルとなるなんて思ってもみなかったでしょう。
町工場が倒産。大勢の男たちが工場の差押えに来た。
(キツい視線を投げるアキラ)
父の片腕だった従業員に思わず笑顔をみせる。
この従業員はアキラを息子のように可愛がってくれた。
従業員がアキラに手渡したもの。
この工場の技術のシンボル。ベアリングだった。
一方、こちらは大企業の社長の息子あきら。右は弟。
(兄役は平野虎冴君。弟役は熊谷武尊君)
あきらが乗る高級車は、アキラをはねそうになった。
窓から見えるのは冷たい顔のあきら(スネ夫風)
一瞬、高級車を睨みつけるアキラ。
しかし、あきらは意外に暖かい心を持っていた。
アキラが落としたベアリングを拾ってくれた。
■アキラとあきら(2017年放送のWOWOWドラマ版)
アキラとあきらが出会ったシーン。(1番上の画像と同じ)
(あきら役は大西利空君。アキラ役は石川樹君。中途半端な半ズボン姿ですけど)
あきらと弟は父親から社長として帝王学を学んだ。
(左は弟役の森田愛蓮君)
すこし成長した あきらの弟役を込江海翔君。
(大西君、込江君。私の好きな子役さんでした)
父の片腕だった従業員がアキラにくれたもの。
彼はアキラを息子のように可愛がっていた。
それは従業員のお守りだったロザリオ。
こんな大切なもの、貰っていいの?
(これはお別れの品というより、形見?愛の印?)
とにかくアキラ役の石川樹君が可愛くて。
(もちろん映画版アキラの榎本司君も美少年ですけど)
夜逃げ同然で、愛犬も一時は手放してしまった。
(脚が本当に白い。普段は長ズボンばかりに違いない)
※後記
WOWOWドラマ版は、WOWOWオンデマンドで鑑賞しました。WOWOWを視聴契約していれば、追加料金無しで鑑賞できます。でもネット動画はどうも馴染めません。やっぱり録画できる放送番組の方がいいかな。時代に取り残されてしまいますけれど。