すべては君に逢えたから (2013年)

作品総合評価
少年の出番 数分程度(二分の一成人式)
寸評 6話のオムニバス。詰め込み過ぎて内容がやや薄い
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 2013年劇場公開。BD/DVD発売中。
写真は山崎竜太郎君。


開業100周年(2014年)を迎える東京駅を舞台にした6つの短編。それぞれが少しづつ関係していますが、最後にまとまる事はありません。@イヴの恋人、A遠距離恋愛、Bクリスマスの勇気、Cクリスマスプレゼント、D二分の一成人式、E遅れてきたプレゼント。

ここでは少年俳優の比重が大きいD二分の一成人式に絞ってレビューします。他の話は申し訳ございませんが、他の方のレビューをご覧になるか、DVD等でご鑑賞下さい。

二分の一成人式への招待状を渡す。まだ何も知らない息子は笑顔だった。

父(時任三郎)は新幹線の優秀な運転士だった。しかし余命3ヶ月と宣告されて退職。だが10歳の息子(山崎竜太郎)には病気の事を話していない。勉強をしろと言われた息子は、父さんだって働きもせず家でぶらぶらしてると文句タラタラ。しかし息子は二分の一成人式の招待状を父に渡した。

二分の一成人式で息子は父への作文を読んだ。クリスマスイブ。父は予約したケーキを持って帰り、息子に話をした。もう一緒にいられる時間は僅かだ。息子は泣いた。夜、父は息子に手紙を書いた。二十歳になった息子へ。


東京駅を舞台にクリスマスの1日をラブストーリーで紡ぐ。ものすごく安易な発想の映画なので「なんかなあぁ...」と白け気味。それでもベタな父子の物語には少しウルッとしました。

でも時任三郎さん。余命3ヶ月というには健康的過ぎる印象で。もうちょっとひ弱な感じのお父さんだと、さらにウルウルときたかもしれません。でも新幹線の運転士というのは子供の憧れの職業。あまりひ弱だと、子供らがガッカリするかも。

父がクリスマスケーキを予約したケーキ屋さん。メインのエピソードはありませんが、いくつかのエピソードで登場します。ケーキ屋の店主を演じるのは倍賞千恵子さん。やはり貫禄が違います。彼女がいるだけで画面が引き締まるのは流石です。

父の退職の日。帰宅途中、河原を歩いていると、
キャッチボールをしていた息子が手を振った。
僕が生まれた時の事を教えて。
作文に書かないといけないんだ。


二分の一成人式の日。両親はなかなか来ない。
「来なくていい」なんて言っちゃった事を後悔。
父と母が来た。やっぱり嬉しい。作文を読む。
父さんみたいな新幹線運転士になりたい。


クリスマスイブの夜。家族で楽しいひと時。
父にとってはこれが最後のクリスマス...
父は息子にお別れの話をした。イヤだ!
(お涙頂戴の演出と判っちゃいるけど...ウルウル)



※後記
本エピソードではありませんが、施設で暮らす子どもたちの話があります。女の子が主人公です。この映画を見たらどう考えても施設の方が幸せでは?なんて思えてきます。親の愛は無くてもクリスマスプレゼントは貰えますし。優しい職員のお姉さんもいますし。昨今の悲惨な子供殺しのニュースを見るにつけ、子どもにとって親や家庭が必要なのかと思ったりして。
もちろん映画に出てくるのはキレイ話。実際には子ども同士の陰惨なイジメ。職員のエコヒイキ、セクハラ、パワハラ。悲しくても、泣きたくても、抱きしめてくれるお母さん、お父さんはいない。つらい世界かもしません。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第5部トップへ戻る