ドンテンタウン (2019年)

作品総合評価
少年の出番 10分未満(意外に多め)
寸評 60分の中編。不明な点が多々残る。少年の位置付けも。
【少年映画でない理由】少年の位置付けが不明。
映画情報など 2019年公開。BD/DVDなし。各種配信あり。
写真は牛尾竜威君。


MOOSIC LAB 2019の準グランプリ作品。MOOSIC LABとは新進アーティストによる音楽×映画のプロジェクトとの事です。ちなみに2019のグランプリ作品は『眠る虫』でした。偶然なのか、どちらも中学生の少年がいい味を出しています。

今は終了してしまったGYAOで鑑賞しました。こういうインディペンデント系の作品こそディスク化して欲しいのですが、今の時代は無理ですかね。日本映画専門chも日本映画とは名ばかりでアダルトやポルノばかり。こういう次世代アーティストの作品をもっと放送してくれてもいいのに。

同じ団地に住む少年(牛尾竜威)と前住者の男(笠松将)。結構フレンドリーな仲だった。

女性シンガーソングライター(佐藤玲)が団地に越して来た。部屋には前の住人(笠松将)の荷物が置かれたまま。その荷物に大量のカセットテープがあり、彼女はそれを聴く。前の住人は贋作画家。それなりに裏収入があった。テープには彼の想いが語られている。彼女はそれに惹かれる。やがて目の前に前の住人が現れる。幻想なのか。

一方、団地に住んでいる中学生の少年(牛尾竜威)はバス停で美少女を見かけて一目惚れ。後をつけて部屋を確認して覗き見。通学バスの時間をメモしてまるでストーカー。前の住人は少年とサッカーをしたり恋愛指南も。そして美少女にアタック。その結果は...


まず団地の部屋。前の住人の家電はともかく、衣類や荷物そのままで次の人に賃貸できるのでしょうか。飲食店舗などが居抜きで次に貸し出す事はよくあるそうですけど。まず生理的に気色悪いでしょう? 前住者は若い男。何か体液?のようなものが付着していたりとか。

次にオカルト的に気色悪いでしょう。よくあるチープなホラーでは前住者や廃墟に残っていたモノには必ず怨霊もセット。大量に出て来たカセットテープ。主人公の女性はレコーダーも持っていないのに、テープが勝手に再生。これはホラーそのもの。ただ本作品はそんな事は関係なし。

カセットテープを通じて前住者の男性と次の住人である女性が、心を通じ合わせて恋人同士になっていく。そんなラブストーリーです。目の前に現れた前住者の男性。幻だろうと実体だろうと、女性にとってはそんなもの問題ではありません。これが本作の基本プロットだろうと思います。

そして団地に住む少年。彼が登場する意味がよく判りません。本作の感想レビューをネットで見ましたが、この少年に言及している人は殆ど見当たりません。主人公の女性と男性が良かった。そればかり。

私は少年映画ファンですので、当然ながら少年俳優に注目します。たとえ映画の本筋から遊離していようとも、牛尾竜威君の熱演が印象に残りました。前住者の男性と新たに入居した女性の橋渡し的な存在なのかもしれません。少年がんばれよ!そんな風に声をかけたくなります。

喫茶店で話をする2人の中学生。
マスターにうるさい!と怒鳴られた。
中学生の1人は牛尾竜威君でした。
マスターの事なんか全く気にしません。


バス停でみかけた美少女の後をつけて。
同じ団地。部屋の前まで。(こらっ!ストーカー)
窓から覗き。美少女はお着替え中。
思わず手が股間に。(お下品ですなぁ...)


前住者の男にソフトクリームを奢って貰った。
いい笑顔じゃないですか。
美少女に催眠術でアタック。最初はゆっくり。
最後はヤケクソ。彼女は笑ってくれた!


主人公の女性シンガーソングライター(左の子ではありません)が、美少女と少年にカセットのイヤホンを。
(このカセットは、前住者の男のもの? 2人に聴かせてどうなるの?)


※後記
主人公の女性は団地のある町の純喫茶でアルバイトを始めます。この喫茶店のマスター(いや単なるクソオヤジ)がいけません。アルバイトの彼女にくびったけ。お客よりもアルバイトの女性にへいこらします。いま都会では純喫茶が、町中華と同じようにリバイバル・ブームになりそうな予感なのに、こんなクソオヤジがマスターではそれも叶いません。(なお、お客は中学生2人組。こいつらが大きな声で話しているので、それもマナー違反ですけれど)





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第5部トップへ戻る