AWAKE (2020年)
作品総合評価 |
B |
少年の出番 |
10分未満(主人公の少年時代) |
寸評 |
ブームの将棋。AIとプロ棋士の対戦の裏側には... 【少年映画でない理由】出番が少ないこと。 |
映画情報など |
2020年公開。BD/DVD発売中。 写真は梅谷祐成君。 |
藤井聡太九段(2023年現在)の活躍もあり将棋がブームになり、将棋を題材とする映画も数多く作られました。その中で本作はAIソフトとプロ棋士の対戦にスポットを当てた異色作。AI開発者とプロ棋士は、実は少年時代からのライバル。なかなか面白く鑑賞できました。
奨励会で対戦するライバル2人。左は浅川。右は清田。
小学生の清田(梅谷祐成)が奨励会に入会した日。同じ小学生の浅川(細谷宥豪)に声をかけられた。これが二人の初めての出会い。二人はライバルとして切磋琢磨に励む。負けず嫌いの清田は浅川に勝利する。浅川は潔く負けを認めたものの陰で泣いた。やがて中学、高校となるにつれ浅川は頭角を表す。
スランプの続く清田は浅川に敗れたのを機に奨励会を退会。普通の大学生となるが、そこで人工知能を知る。清田は研究会に入会し将棋ソフトを開発。AWAKEと名付けたソフトはどんどん強くなる。やがて大手ネット配信業者が、AWAKEと新進気鋭のプロ棋士の対戦を企画。その棋士はあの浅川。清田はライバル心に燃えてソフトを改良し対戦に臨むが...
主人公清田の小学生時代を演じた梅谷祐成君は、なんとも言えない存在感。ネクラだけど負けず嫌い。対戦で相手に詰まれても「負けました」との言葉が出て来ない。そんな雰囲気の少年にピッタリ。監督さんの回想録でも「子役というかもう一人の役者でしたね」と評価されています。
一方ライバルの浅川は爽やかタイプ。清田に負けても素直に認めます。しかし人のいない所に行って悔し泣き。彼の方が大器晩成型なんでしょう。こちらも演じた細谷宥豪君がぴったりでした。
この小学生時代は残念ながら10分そこそこ。あとは吉沢亮さん、若葉竜也さんのイケメンコンビ。まあ人工知能で将棋ソフトを研究開発するくだりや、そのソフトと対戦することを決意するプロ棋士。このあたりは興味深くみれました。
さて人工知能とプロ棋士の対戦結果はいかに。それはここでは書かないことにします。是非とも映画をご覧になってくださいませ。(ネタバレサイトも多々ありますけれど)
奨励会のある将棋会館の前に立った清田少年。
その時、声をかけられた。
同じ日に奨励会に入会する浅川少年。
爽やかな笑顔。しかしこれがライバル関係の始まり。
少年時代の清田はとにかく粘った。
負けず嫌いの性格も実力向上に一役買った。
奨励会の中でも注目される存在に。
しかしやがて挫折する時がくる...
清田少年に敗れた浅川少年。
この悔し涙が、次のステップへの踏み台だ。
時代は流れ。空港のロビーで少年が将棋を。
プロ棋士浅川の息子だった。清田は彼にエールを送る。
※後記
実際に人工知能とプロ棋士の対戦が行われ、プロ棋士の負けが続いたそうです。そのせいかどうか現在では対戦は行われていないとか。私も強いて対戦を見たいとは思いません。