アコークロー (2007年)
作品総合評価 |
B- |
少年の出番 |
30%程度(結構印象に残る役なのですが) |
寸評 |
全員沖縄のスタッフによる暗く陰鬱なホラー。 【少年映画でない理由】出番少なめ。 |
映画情報など |
2007年公開。DVD絶版(中古は豊富) 写真はジンタ役の少年(氏名不詳) |
沖縄のキジムナーを題材にしたホラー映画。監督やスタッフはほぼ全員沖縄の人らしいのですが、役者は本土の有名俳優。少年俳優の出番も思った以上に多いのですが、子役さんの氏名が判りません。最後のキャストロールを丹念に調べれば判るとは思うのですが、もうそんな気力もなくなってしまって。
近所のおばぁの家でくつろぐ。左から、東京から来た女性、おばぁ、東京から移住した青年、ジンタ。
東京から沖縄に移住した青年(忍成修吾)を追って女性(田丸麻紀)が来た。2人は友人とその息子ジンタ(氏名不詳)と親しくなるが、友人の妻(菜葉菜)は精神を病んで離婚。その元妻がキジムナーに憑依されて友人とジンタに襲いかかる。現場にいた青年と女性は助けようとして誤って元妻を殺害。青年は事件を隠匿して遺体を池に捨てた。
しかし元妻(キジムナー)の呪いで、青年も友人も、そしてジンタまで瀕死の重症を負う。青年と女性はユタの女性にお祓いを依頼。元妻からキジムナーは出ていくが、事件は暴露されて青年は逮捕。友人は身障者。ジンタも片腕を失った。
キジムナーというのは故・水木しげる氏の漫画にも登場しますし、ネットでイラストを見ても愛嬌さえ感じる妖怪。しかし本作ではまるでエイリアンのように不気味。ちょっと印象が変わりました。最後にユタがお祓いをするのですが、出て来たキジムナーをパクッと食べてしまうのには驚きました。
上記のストーリーは本作の半分も書けていません。ややこしいのです。そして誰に感情移入していいのか判らないので余計です。東京から来た女性は、子守していた姉の子を事故で亡くしたトラウマ持ち。沖縄に移住した青年は好青年だと思っていたらチャラい奴で自分勝手。
仕方なくジンタ少年の目線で映画を見ていたのですが、ラストシーンで崩壊。
まず片腕になったジンタに地元の沖縄のクソガキたちが暴力を振るいます。それをユタの女性が見ていると、クソガキたちは大人のユタにも罵声を浴びせて去っていきます。
立ち上がったジンタにユタが優しい言葉をかけますが、ジンタは何と「うるせぇ!クソババア!」と悪態。その醜い表情は映画中盤までのジンタとは別人のよう。もしかしたらキジムナーは今度はジンタに憑依しているのかと思ったほど。このラストは無しにして欲しかった。
おばぁはキジムナーの絵本を読んでくれた。
ジンタも喜んで聞いている。
父とジンタ。今は2人だけで暮らしている。
(父は、東京から移住した青年とは親友の間柄)
離婚した母がジンタの側にやって来た。
母は流産がきっかけで精神を病んだ。真っ赤な髪は...
ジンタの髪を赤く染める母。狂気なのか。
これを見つけた父は激怒して...
母が殺されるのを目の当たりしたジンタ。
ジンタは草むらの中へ走り込んだ。
草むらの中でハブに咬まれた。父は大慌て。
この後、病院へ向かう車が不自然な事故で大破。
(結局ジンタは片腕を失う事になった)
※後記
沖縄の人たちといえば南国で陽気でお人好し。そんな印象がありますが、学校教育現場は荒れているという話を聞きます。そういえば成人式での無法騒ぎは沖縄が一番酷いのか毎年ニュースになっていました(今は知りません)。本作のラストシーンをみると、これが現実なのかと思ってしまい、美しい沖縄のイメージは崩壊しそうです。
なお「アコークロー」とは外国語みたいですが、「明こぉー、暗ろぉー」つまり明るくて暗い夕方のこと。逢魔が時、トワイライトといった感じでしょうか。