オトシモノ (2021年)
作品総合評価 |
邦画では珍しいスパイアクション映画。やや荒唐無稽。 |
少年の出番 |
主人公の子ども時代。ほんの少し。 |
寸評 |
胸板の薄い日本人には絵的にやや辛い。 【少年映画でない理由】出番過少。 |
映画情報など |
2021年公開。BD/DVD発売中。有料配信あり。 写真は、子ども時代を演じる大江優成君。 |
日本の産業スパイが中国の巨大企業に潜入し、世界を股にかけたアクション映画。これはこれで面白いのですが、映画の終盤で、主人公の生い立ちがほんの少し描かれます。演じた少年俳優が気になりましたのでレビューを上げます。ただ申し訳ございませんが、映画本編には殆ど言及しておりません。
虐待から救出され少年は、ある男の家でしばらく生活する。自分の部屋も貰えた。夢のよう。
(昭和少年の夢アイテムだった天体望遠鏡。昭和半ズボンも懐かしい...)
(時系列的に簡単にまとめたものです。映画の進行とは異なります)
少年(大江優成)は虐待を受け、家に閉じ込められたまま母親に放火されたが、絶命する寸前にある男に救出された。少年は鷹野一彦と名前を変えて沖縄にあるスパイ養成機関へ。高校生になった一彦(日向亘)には同じ境遇の親友(加藤清史郎)がいたが、スパイを拒否して逃走した。
やがて試験を受けてスパイに合格した一彦(藤原竜也)は胸に爆薬を埋め込まれ、24時間毎にリセットしなければ爆発して死ぬ。そんな過酷な境遇。中国の巨大企業に潜入し、その企みを暴くミッションに加わり世界各地を飛び回る。何度も危機に陥りながら、元親友などの助けもあってミッションをクリア。
「太陽は動かない & 子役」で検索すると高校生役の日向亘さんしかヒットしません。高校生で子役とは違和感がありますが、ホリプロ(大手芸能プロ)が開催したスターオーディションでグランプリに輝いた期待の新人。その副賞としての映画出演ですので、話題性は十分。
さて日本にもこんな産業スパイ専門組織があるのか判りませんが、虐待児や身寄りの無い子どもの情報を集めて、死んだ事にして戸籍も変え、専門の機関で養成。試験に合格した者だけがスパイになるとの事。旧陸軍の中野学校よりも凄い組織ですね。なお試験で落ちた不適格者はどうなるのでしょう。記憶を消されるのか、処分されるのか...
合格してスパイになったとしても爆弾を埋め込まれ、24時間毎にリセットしなければ爆発。もちろん自分でリセットは出来ません。敵に捕まった時の口封じでしょうか。1日、1日、今日も生き延びたか。そんな生活。まるで終戦間際の最前戦にいる日本の兵隊さんのようで。
小学生時代を演じた大江優成君。母親に殺されかけたとも思えないような、ほんわかした美少年。彼が1日、1日死をかけたスパイになるとは。でもなんとなく彼を見ているとほっとするのです。
男(佐藤浩市)はスパイ養成機関の部長。少年をスパイ養成機関にスカウト?する。
(常にアンテナを張って、身寄りや戸籍のない、虐待されている子どもの情報を集めていた)
少年は男に言った。家に閉じめられていた時、いつか壁の外に出る事が夢だった。
弟もいたんだ(死んだ)。二人で外の世界へ出て、電車や飛行機に乗ってみたかったんだ...
スパイ養成機関は沖縄のある離島。高校生になった一彦、友人の柳とその弟。
外見はごく普通の高校生。島へ来る観光客をバイクに乗せて案内するバイトをしている。
柳もスパイ養成機関にいた。しかし自分がスパイになれば障害のある弟は一人ぼっち。柳は弟と逃げる事にした。
(加藤清史郎君も大人になった。美少年だった弟の加藤憲史郎君も高校生に)
高校生の一彦役を演じた日向亘さん。さすがホリプロとっておきのスター候補生。
(眼力の強さは、少年の頃の柳楽優弥君を思い出して)
※後記
何で読んだか忘れましたが、旧ソ連だったかのスパイは、奥歯に青酸カリのカプセルを詰めていて、敵に捕まって拷問を受けて「もはやこれまで」となった時、奥歯を噛み締めてカプセルを破って自決するとか。口に棒などを突っ込まれて噛み締められないようにされたら使えませんけれど。
また何かの番組で見ました。18世紀頃の英国海軍の墓地から12歳くらいの少年の骨が。それを調べていくと、英国海軍は何人かの少年を軍艦に乗せていたそうです。普段は小間使い。海戦になると、大砲の砲手に火薬袋を補給する係。狭い艦内で小リスのように駆け回るのは大人では無理で少年が必要だったとの事。
もちろん戦争ですから少年も弾丸に当たって死亡。海軍墓地から出てきたのはその少年の骨。そして彼ら少年をどこから集めたかと言えば、浮浪児や捕まえたスリの少年を強引に拉致。オリバーやドジャーのような...