死刑にいたる病 (2022年)

作品総合評価 連続殺人鬼の深い闇。後味が悪い。
少年の出番 主人公の中学生時代ほか。ほんの僅か。
寸評 連続殺人鬼に感化される若者。彼らも不快に感じる。
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 2022年公開。BD/DVD発売中。
写真は、吉浦慶一君。


2022年、結構話題になった映画でした。ただ映画の題材から見る気は起きませんでした。その後、映画『瞼の転校生』で主役を演じた松藤史恩君がチョイ役で出演している聞ききましたので、WOWOWでの放送を鑑賞しました。やっぱり後味が悪い。

中学生のマサヤはベーカリーショップの常連客。店主(右)は殺人鬼とも知らず...

24人の高校生らを殺害した犯人(阿部サダヲ)の公判が始まった。大学生のマサヤ(岡田健史)は犯人から手紙を受け取った。最後の24人目は自分の犯行ではないので助けて欲しいと。マサヤは犯人の弁護を担当する事務所のアルバイトとして調査に加わる。実はマサヤは中学生(吉浦慶一)の頃、犯人に親切にして貰っていたのだ。

犯人と面会を重ねるうちに、マサヤは犯人に感化されていく。24人目の殺害現場で不審な男(岩田剛典)を何度も見かける。マサヤはこの男が24人目を殺害したと思い込む。しかしこの男も小学生(松藤史恩)の頃、犯人に精神的に支配されており、大人になっても不安定だった。最後の面会で犯人は本当の姿を見せる。マサヤは...


阿部サダヲさん演じる大量殺人犯。ベーカリーショップの店主。虫も殺さない優しそうな顔で、男女問わず真面目で大人しい高校生を選んで毒牙にかけます。殺し方は残忍。爪を剥いでコレクションに。そう遠くないも範囲で24人も殺害するまで逮捕できないとは。日本の警察はもっと優秀だと思いますよ。

稀代の殺人鬼。こんな大時代的な呼称がよぎります。なんと中学生の時に小学生の女の子を惨殺していました。逮捕のきっかけは24人目。高校生ではなく大人の女性。犯人は自分の趣向?とは違うといって犯行を否定。実際には殺していたのですけれど。

主人公のマサヤ。成績優秀な少年だったのに暴君の父親のおかげでノイローゼ気味。そんな少年に優しく接してくれた犯人。高校生になるまでは毒牙の対象ではなかったようです。結局、受験に失敗して三流大学へ。かなり鬱屈した青年になってしまいました。

そんなマサヤが犯人に協力することに。犯人から弁護士事務所に依頼があったのでしょう。普通だったあり得ない三流大学生をアルバイトに雇います。ただマサヤからすると弁護士たちには熱意が不足。マサヤの調査をことごとく否定。マサヤはキレかかりますが、洗脳されていたのはマサヤの方。

24人目の真犯人と目した不審な男。生まれつき顔に痣があり、それを隠すため長髪。小学生時代を演じた松藤史恩君ですが、長髪があまりに不自然。暗い顔をして画面に映ったのは姿はまるで亡霊。弟役は潤浩(ゆんほ)君。犯人は兄弟を精神的に支配し、二人で傷つけあわせます。卑劣なやつ。

子役は結構出演しますが、出番は全員合わせても数分もありません。まあこんな作品に少年俳優は出なくてもいいかなぁ...


被害者24人がニュースで報道 (映画の中の話)
内訳は男子9名、女子15名(大人1名含む)
マサヤは成績優秀だが父親から暴力を受けていた。
犯人の店主はそんなマサヤに優しい。顔を触る手つきが..


犯人の中学生時代。女子小学生を惨殺した。
演じたのは田中仁人君。阿部サダヲさんそっくり。
犯人に精神的に支配されていた兄弟の兄(松藤史恩君)。
顔の痣を隠すために不自然な長髪。かなり鬱屈...


犯人は兄弟で傷つけ合うよう指示。今日は誰がやられるの? 兄は弟(潤浩君)を指差す。
このあと彫刻刀で弟の太ももを突き刺します。もう完全に洗脳されている状態...
(この映像含めて過去のシーンは超広角レンズで撮影したのか、変な歪みが気になります)



※後記
本作の連続殺人鬼ですが、思い出したのはドイツのフリッツ・ハールマン。やはり24人を殺害した男。本作と異なるのは被害者は若い男性や少年ばかり。真相は知りませんが、ハールマンは肉屋で、殺害した被害者を牛や豚と一緒に捌いて捨てていたとか。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第5部トップへ戻る