ぼくが生きてる、ふたつの世界 (2024年)

少年の出番 主役の子ども時代。赤ちゃん含めて4人で演じる。
寸評 ろう者の両親を持つ子ども。それだけで感動...
【少年映画でない理由】出番過小。
映画情報など 2024年公開。BD/DVD発売予定。
写真は加藤庵次君。


両親がろう者。コーダ(Children of Deaf Adults)というそうです。ドキュメンタリー番組などで見た事がありますが、映画としてみると、ちょっと反則のような気もします。見どころは小学生時代を演じた加藤庵次君の演技とお顔と服装が印象に残ったこと。

友人(左)と一緒に下校する大(加藤庵次)。映画公式サイトより。
(左の友人役は嶋田鉄太君。本作の呉美保監督次回作「ふつうの子ども」の主役に抜擢!)

東北の港町でろう者の夫婦に男の子が生まれた。耳は聞こえないが、優しい両親に大と名付けられてすくすくと育っていく。しかし小学生になった大(加藤庵次)は友人たちの両親との違いに戸惑い始める。授業参観に来て欲しくないと言ったり。やがて中3になり(吉沢亮)、進路を決める時期が来た。

大は迷った末に東京へ出た。小さな事務所で編集の仕事に就き、ようやく仕事に生きがいのようなものを感じ始めた頃、父が倒れたとの報せで故郷に戻った。少年時代にはすれ違いもあった母親や父親の思いを知り、涙を流す。


両親が障害者で健気に生きる子ども。このシチュエーションだけでウルウル。よっぽど酷い脚本でない限り、感動作になるはず。上で反則と書いたのはこういう意味です。もちろん異論は多々あると思いますので申し訳ございません。

両親役を演じられた俳優さんはお二人とも実際のろう者。それだけに説得力は抜群です。母親役の忍足亜希子さんは、2000年の「アイ・ラヴ・ユー」で主演、私もレビューを書いた2001年の「アイ・ラヴ・フレンズ」でも主演。やはりろう者の母親役を演じておられました。

コーダである息子。赤ちゃん役2人、幼児役1人、小学生役1人と4人が務めました。もちろん皆んな可愛いのですが、中でも小学生役の加藤庵次君が印象に残りましたが、出番は長くありません。NHK大河ドラマの幼少期役と同じ。

そして中学生以降を演じたのは30歳になられる吉沢亮さん。もちろんこの吉沢さんが主演です。しかしいくらイケメンとはいえ中学生を演じるの無理では。高校生役ならまだしも。
(中学生役の少年俳優のお仕事を奪って欲しくありません。)


生まれたばかり。赤ちゃんの大。
(少し成長した赤ちゃん役は別の子が担当)
幼児の大を演じたのは、畠山桃吏君。
自然な演技が素晴らしかった。


友人を初めて家に連れてきた。
(正統派?の半ズボンが素晴らしい)
大の向かいにいるのは元ヤクザの祖父。
祖父母と同居。それで大は普通の会話もできた。


母に授業参観に来て欲しくなかった。
顔には出さないが母は悲しんだ。
苺パフェを初めて食べる大。母が連れて来てくれた。
この時は母の想いがまだよく判っていなかった。



学校で手話をみんなに教える大。少し自慢げに...



花壇を壊したと濡れ衣を着せられた大。泣きながら歩く。ここで小学生時代は終わり。



※後記
今の男性は30代でも(一見)童顔の方が増えました。ヘアスタイルのせいもあります。前髪を垂らした稚児が元服して額を出すのが大人の証し。しかし七三分け、オールバック、パンチパーマ?など男らしいヘアスタイルの男優さんは絶滅し、いつまでも前髪を垂らしています。(頭の中はちゃんと大人に...)





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