以下の4作品を映像化。全編を通じて佐野史郎さんがつげ義春を演じています
・「李さん一家」(ボロ屋の2階に住みついた在日朝鮮人一家のお話)
・「紅い花」(初潮を迎えた美少女と同級生の少年。映像が美しい)
・「ゲンセンカン主人」(鄙びた温泉宿の主人になったいきさつ)
・「池袋百点会」(池袋の地元誌創刊をめざすが、子連れ営業マンがダメダメ)
| 少年の出番 | 4話オムニバスのうち3話分に少しだけ登場。 |
| 寸評 | つげ義春の貧乏臭いワールドをしっかり再現。なんとなく心が和む。 |
| 映画情報など | 1993年公開。DVD発売中。 写真は荻野純一君。 |
つげ義春氏の漫画4作品のオムニバス作品。映画は2025年になってWOWOWで初めて見ました。しかし漫画は、ちくま文庫版の「つげ義春コレクション」全9巻を持っています。暗い。貧乏。エロス。そんな「つげワールド」私のは座右の書といってもいいかもしれません。
以下の4作品を映像化。全編を通じて佐野史郎さんがつげ義春を演じています
・「李さん一家」(ボロ屋の2階に住みついた在日朝鮮人一家のお話)
・「紅い花」(初潮を迎えた美少女と同級生の少年。映像が美しい)
・「ゲンセンカン主人」(鄙びた温泉宿の主人になったいきさつ)
・「池袋百点会」(池袋の地元誌創刊をめざすが、子連れ営業マンがダメダメ)
それぞれの作品は是非とも原作漫画を読んでください。昭和というか、まだ戦後が残る時代のなんともやるせない空気がいいのです。ただ佐野史郎さんは都会的過ぎて似合わないかな、とも思ったのですが、結構適役でした。
4話の中では「紅い花」が出色の出来です。赤い花が咲き乱れる丘。その花が流れていく川。川べりに美少女が寝ている。それを旧陸軍の軍帽を被ったみすぼらしい少年が見つめる。まるで絵画の世界。
映画の最後に、つげ義春さん本人、奥様のマキさん、息子の正助さんが登場。つげさん本人は意外にも都会的な風貌で佐野史郎さんと似ているのです。漫画やエッセイでも度々登場した正助君は、まだ鼻タレ小僧だったのに、シューっとした青年になっています。
少年俳優は「紅い花」の少年を演じた荻野純一君の出番が結構ありました。「池袋百点会」の子連れ営業マンの息子役の少年。名前は判りません。つげ作品によく登場する息子の正助君のような感じでした。
※後記
数多くの(私にとって)名作漫画を世に出された、つげ義春氏ですが、若くして断筆され、ファンや関係者の熱望にも関わらず新作はありません。それでも過去作品が映画やドラマになり、海外でもファンがいるそうです。いつまでも長生きして欲しい。そして最後には新作を。