男神 (2025年)

少年の出番 主役の息子。禁断の穴に入ってしまう少年。出番は結構多い。
寸評 日本神話や超古代などの神々がごちゃごちゃに。ホラーではない。
映画情報など 2025年公開。ディスク等は未定。
写真は塚尾桜雅君。


タイトル男神は「おがみ」ではなく「おとこがみ」と読むそうです。縄文時代以前の神様で名前も不明な古代神。なかなか面白そうじゃありませんか。しかも映画『ほかげ』で歴史あるキネマ旬報の新人男優賞を最年少で受賞した塚尾桜雅君が出演するとあっては見ない訳にはいきません。

根の国(黄泉の国)に続く穴のふちに立つ少年マモル(塚尾桜雅)。穴の中に入っていった。

(最近手抜きで申し訳ありません。まだ公開中ですのでストーリーは公式サイトから引用しました)

全国各地で母と子の失踪事件が相次ぐなか、ある日、新興住宅地の建設現場に正体不明の深い「穴」が発生する。時を同じくして、そこで働く和田の息子も忽然と姿をしてしまう。その「穴」の先は不思議な森に繋がり、そこでは巫女たちが「男神」を鎮めるため異様な儀式を行っていた。息子がそこに迷い込んだ事を知った和田は、その穴に入っていくが…。「決して入ってはいけない」と語り継がれる穴に、禁忌を破り息子を助けにいったことにより起きる得体のしれない恐怖体験!


もう少し超古代の神様のことを深堀りしてくれると思ったのですが、そういう映画ではありません。本作の宗教観は現代の神道を中心に、修験道、仏教、イタコさんまでチャンポンに。男神がおられるのは「根の国」(黄泉の国)で、逃げる時に後を振り返ってはいけない、これは古事記などの神話そのもの。

外国人の考古学教授が古代日本の講義をしていますが、その内容は世界で大ヒットした映画『ダ・ヴィンチ・コード』のパクリです。この先生の研究室に日本の神道、修験道、仏教などの代表者がやってきて助けを乞います。男神を鎮めるために。ネタバレになりますので後は映画をご覧ください。

この古代神には生贄が必要なのですが、対象は無垢な少年のみ。それで男神と呼ばれるようになったとか。そしてある血筋の女性たちがいて、彼女らは代々、生贄を捧げるために男子を産んできたそうです。塚尾桜雅君演じるマモル少年の母はその血筋の女性でした。

さて塚尾桜雅君。顔がアップで映った時の精悍な表情。『ほかげ』の時よりかなり成長したと思ったのですが、手のアップが映った時は紅葉?のような小さな手。まだ幼い子なんだと愛しくなりました。準主役といってもいいくらいの頑張りでしたのにポスターにも写らず、キャストロールも下の方。少し残念。


男神に捧げられる生贄の少年は、御神体?の岩に向かって登っていく。
(生贄の風習は長野県の諏訪大社で今も続いています。人間ではなく鹿などの動物ですが)


生贄の少年は火に包まれて男神に捧げられる。
(中米アステカの生贄はもっと凄惨。首を刎ねる、心臓を取り出す。それに比べればマイルド。)


根の国に紛れ込んだマモルは、同じ年くらいの少年の生贄の様子を見てしまった。
この後、マモルも生贄に捧げられ、火に包まれたのだが...


父(遠藤雄弥さん)の奮闘で、根の国から戻った母(彩凪翔さん)とマモル。しかし男神もついて来た。
結界を張り、祈祷によって男神は帰ったが、母はこの世にはいられないと...



※後記
さて本作には元ジャニーズの中でも非常に人気のあった方が出演されています。ストーリーの中では重要な役とは思えないのですが、ポスターやプロモーショーンでは主役以上に目立つ存在です。映画予告編のyoutubeのコメント欄は、全てジャニーズファンの方々でした。子役はおろか主役へのコメントもありません。映画製作側としては、客が来て貰えればいい訳ですから、これからもジャニーズの方々の出演はどんどん増えるのではと思います。

もう一つ。映画冒頭で生贄となる男の子が登場。ワンカットだけですが、この子のyoutubeが泣かせます。タイトルは「ちょい役・生贄となる子よりお知らせ編」。自分で「ちょい役」というのが何とも...。将来はジャニーズの人を喰ってしまうような大物になって下さいね。





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