橋ものがたり 約束 (2024年)

少年の出番 主人公の少年時代。15分程度。
寸評 少年と少女は子どもながらに深く愛し合っていた。しかし8年間の別れは残酷。それは二人が成長した事の証でもあるのだろうか。
映画情報など 2024年公開。BD/DVD販売なし。Amazon他で有料配信あり。写真は小谷興会(おだに こうえ)君。


原作は藤沢周平氏の短編集。10話のうち5話がドラマ化(映画化)されています。本作は2024年の最新作。時代劇専門チャンネルでの放送がメインですが、東京と京都で1週間の限定上映も行われたそうです。2026年になってWOWOWで5作品が一挙放送。ありがたい事です。

お地蔵様を真ん中にして奔放な笑顔を見せる少年少女。いいなあ...本当にいいなぁ...

錺(かざり)職人のもとに奉公していた幸助は、ようやく8年の年季が明けることになった。幸助には思いを寄せる幼なじみのお蝶という娘がおり、2人は幸助の年季が明ける日の夕刻に、萬年橋で会う約束をしていた。しかし、互いに思い合いながらも、幸助は人には言えない秘密を抱えており、一方のお蝶もまた、幸助に話すことができない思いを秘めていた。幸助はお蝶のために作った簪(かんざし)を懐に入れ、橋が見渡せる川辺からそっとお蝶の姿を探すが……。(映画.comのあらすじより引用)


映像化された「橋ものがたり」の作品は以下の通り。
「小さな橋で」(2017)、「吹く風は秋」(2017)、「小ぬか雨」(2017)、「殺すな」(2021)、「約束」(2024※本作)

このうち「小さな橋で」は少年俳優の田中奏生君が実質主役。まだレビューしていませんので、近々こちらもレビューします。杉田成道監督は子役の指導もなかなか熱心なようで、今のトレンディ?映画に申し訳程度に顔を出す子役さんとは違って存在感があります。

本作の序盤は少年(小谷興会)と少女(今濱夕輝乃)の純愛物語。二人はまるで「小さな恋のメロディ」のマーク・レスターとトレーシー・ハイド。雨に濡れて熱を出した少女は着物を脱いで藁の中に潜り込みます。それでも震えが治らない。少年は意を決して自分も着物を脱いで藁の中に入り、少女の身体を暖めます。

このシーンは一歩間違えばチャイルドポルノではありませんか。でもそんな不純な気配は一切ありません。二人の純真な表情と監督の演出が素晴らしいのです。ちょっと照明が暗いのが残念ですけれど。そして雨の降る船の中での別れのシーン。ここでの小谷興会君の表情が本当に素晴らしい。時代劇なのにBGMは♪アニーローリー。これがなぜか違和感全くないのです。


二人で仲良く凧揚げ。この後、悪ガキの凧と糸が絡まって、悪ガキから脅される二人。


怪我をした少女を背負う少年。あいにくの土砂降り。二人は雨宿り場所を探して...


納屋を見つけた。寒さに震える少女は着物を脱いで藁に潜り込んだ。
それでも震えている。少年は自分も着物を脱いだ。(演じた小谷興会君はプロ根性満点)


二人は抱き合って寒さを凌いだ。やがて雨が止んだ。
(決して怪しい雰囲気はありません。二人の純情に大拍手です)


少年は錺(かざり)職人として8年間の奉公に出される事になった。
少女とは会えない。なに、盆と正月には会えるさ。それは気休めだった。


少年は舟に乗って旅立つ。橋の上で少女が見送ってくれた。
きっと立派な職人になって戻って来る。少年の決意は固かった。



※後記
この後のネタバレです。3年後、少女と少年は約束します。あと5年経って奉公が開けたら、あの橋で会おう。そして遂に奉公明け。大人になった少年は精魂込めて作ったかんざしを持って橋へ。しかし元少女には既に別の男がいました。元少年にも犯罪に手を染めてしまった負目がありました。悲しい結末でしたが...

さてまたどうでもいいお話。主人公の少年時代を演じた小谷興会君。時々誰かに似ているなあ...と思っていたのですが、NHKのEテレに出演しまくっている村山輝星さん。彼女はボーイッシュな雰囲気を売りにしているようですけれど、やっぱり本物の少年である小谷君の方がいいかな...






▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第5部トップへ戻る