孤児院で育ったオリバー少年(マーク・レスター)は、管理人にさからったために、孤児院を追い出され、葬儀屋の小僧として売られてしまう。(Boy for Sale。物悲しいけれど名曲です)
葬儀屋でもトラブルを起し、地下室に監禁されるが脱出したオリバーはロンドンへやってきた。そこでスリの少年ドジャー(ジャック・ワイルド)と運命的な出会い。ドジャーに誘われてスリの親玉フェイギン(ロン・ムーディー)の仲間になった。(ここで名曲Consider Yourself。10分近いミュージカル場面は圧巻)
フェイギンは、小心者のくせに欲深い泥棒であるが、どこか憎めない。子分の少年達から上前をハネているが、少年達への愛情ものぞかせる。そんな連中が一目おくのがビル。芸術的なスリの腕前を持つが、冷酷非情な男。もう一人、酒場で働くナンシーは少年達の憧れのまと。でも彼女はビルの愛人。
いよいよオリバーの初仕事。見事に失敗し捕まって裁判所へ。しかし孤児のオリバーを哀れに思った被害者の老紳士は、オリバーを自宅に引き取って育てる事にする。(あ〜これでメデタシ、メデタシ。そんな訳はありません。)
ビルは、オリバーがスリ団の秘密をばらすのではと危惧し、すきを見てオリバーを連れ戻す。ナンシーはせっかく幸せをつかんだオリバーに同情し、老紳士の家へ帰そうと策を練る。しかし激怒したビルに殺されてしまった。だがこの殺人がビルの年貢の納め時になってしまった。
警察や群集がスリ団のアジトを急襲、オリバーを人質にして逃げるビル。しかし最後は銃弾に倒れた。オリバーは老紳士の元へ戻り、幸せに暮らしましたとさ。(蛇足ながら、この老紳士はオリバーの親戚だった。これは小説とはいえ、あまりに出来すぎ)
ちょっと待って。ビルは死んだが、フェイギンやスリ団はどうなったの?スリ団は解散。少年達は秘密の通路を通って脱出。でもその途中でフェイギンは、大事に隠していた財宝を箱ごと川に落としてしまった。あぶく銭は身につかないのですね。
肩を落としてトボトボ歩くフェイギン。この年寄りの身でどうやって暮していこう。そこへ現れたのがドジャー少年。この時の彼の笑顔は本当に素晴らしい。フェイギンとドジャー少年は肩をくんで、2人で生きていく事にしましたとさ。(まっとうな職業に就いて欲しいところですが、2人はスリ稼業を続けるようです。でも幸せそう。)