わんぱく戦争 (1962年)

製作年・国 1962・フランス
少年映画評価 B+
お薦めポイント 有名なマーチと、子どもたちの駆け引き。
映画情報など 1963年 国内公開。BD/DVD発売中。
写真は人気者のアントワーヌ・ラルチーグ君


冒頭から軽快なマーチが聞こえてくると、これだけでもう映画の中に引き込まれます。テレビでは何回か放送されましたが、最近はみかけなくなったと思っていたら、デジタルリマスター版のブルーレイやDVDが発売されています。本当に嬉しくなりました。

服のボタンを取られたくない。それなら服を着ないで戦えばいいんだ。
(有名なカットです。でもパンツくらいはきなさいよ...)

まだ戦争の記憶も残る南仏の村。12歳のルブラック(アンドレ・トルトン)は村のガキ大将で隣村との戦争ごっこに明け暮れる。ある日、隣村の大将ラズテック(ミシェル・イセラ)を捕虜にして、服のボタンと紐を切り取り、みんなの前で恥をかかせた。それ以来、捕虜になればボタンを切り取られるのがルールのようになった。

服を着ているからボタンを取られるんだ。それなら全裸で戦おう。ルブラックの奇抜な作戦はうまくいったが仲間からは不評。やがて戦法はエスカレート。馬やブルドーザーを使ったり。ルブラックは父親の逆鱗に触れて家出するが、捕まって寄宿舎行き。嫌な嫌な寄宿舎の初日。そこには隣村のラズテックもやって来た。


年輩の方なら一度はテレビで見たことがおありかもしれません。主題曲♪わんぱくマーチは日本語の歌詞がつけられて、NHKみんなのうたに登場。ビッグマンモスとお姉さんも歌っていました。

子どもの戦争ごっこ。他愛もないものから段々エスカレートしてくるのは本物の戦争と同じ。ちょっと眉をひそめたくなるのが裏切り者へのリンチ。一所懸命作った秘密基地。それをある少年が隣村の子に教えてしまいます。隣村のラズテックは父のブルドーザーを持ち出して秘密基地を破壊。

教えてしまった少年に対して、ルブラックは全員が1発ずつムチを打つよう命じます。それが親にバレてルブラックは家出するはめに。またブルドーザーで基地を破壊したラズテックも、ブルドーザーが故障して父から大目玉。2人は寄宿舎でバッタリ出会い、敵味方だった事も忘れて抱き合うのです。

さて大きなストーリーには絡みませんが、ルブラックの手下のジビュス兄弟。弟役のアントワーヌ・ラルチーグ君がお笑い担当で爆笑させてくれました。決して美少年ではないのですが、無垢な可愛さもあいまって本作では一番の人気者。次作『わんぱく旋風』では彼だけがスカウトされて主役を演じます。

兄役はフランソワ・ラルチーグ君で本当の兄弟。顔はそっくりなのですが、弟だけが人気が出てしまい、ちょっと可哀想な気もします。今みるとそれほど名作という訳でもありませんが、まだご覧になられていない方は、ぜひレンタルででもご鑑賞されてみては。

ルブラック組のジビュス兄弟。弟はお茶目な子。
(実際に兄弟なのでよく似ています)
捕虜になった隣村の大将ラズテック。
ボタンを全部取られ、パンツ丸見えという辱めを...


大将のルブラック。もう大人に近い顔。
一番○○○の大きいやつが大将になるんだと公言!
そのルブラックも相手に捕まってしまった。
ボタンを取られても堂々としていたが、後で泣いた。


女の子は一人だけ登場。左の少年の妹。
(左の少年はイケメンですが、殆ど活躍せず)
とにかくジュビス弟が笑わせてくれました。
(こういう役どころが出来るのも素質)


寄宿舎で出会ったルブラックとラズテック。昨日の敵は今日の友。このラストがいいなあぁ。
(この頃の映画の最後はFINで終り。長ったらしいエンドロールが無くて爽やかです)


※後記
円谷作品のウルトラQの『カネゴンの繭』の冒頭のマーチが、本作のわんぱくマーチを彷彿させるのですが、こちらは歌詞がついた歌になることは無かったようです。




▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼外国作品庫へ戻る