インフル病みのペトロフ家 (2021年)

製作年・国 2021年・ロシア/仏/スイス/独
お薦めポイント 熱による幻想や悪夢。現実との境目が判らず、観客まで熱がうつってしまいそうに。
映画情報など 2022年国内公開。DVD発売中。
写真は主人公ペトロフの息子。


本作品も少年映画ではありません。高熱にうなされて見た幻覚と現実の境目が判らない作品。出番は多くはありませんが、少年の姿も非常に強いインパクトがあります。今、世界から批判を受けているロシアですが、敢えてレビューしました。

高熱を出した息子を病院に連れて行く。しかし途中で息子は天に昇っていく...(これも熱による幻影)
(まるで、シューベルトの歌曲「魔王」)

2004年のロシア。自動車整備工のペトロフはインフルで高熱。車が運転できずバス通勤の帰り。熱で様々な幻覚をみる。また離婚した妻もペトロフと性交してインフルに感染。職場の図書館や公園で気に食わない連中に暴行を加える幻覚に襲われる。そして二人の息子もインフルで42度近い高熱を出した。

慌てて息子を車で病院へ運ぶが、その途中で息子が天に召される幻覚をみた。アスピリンで熱が下がった息子は仮装パーティに行きたいと駄々をこね、ペトロフは連れて行く。ペトロフが子供時代に体験したパーティーの幻覚と重なり訳が判らなくなるが、雪娘のエピソードで息子と父の距離が少し狭まった。


ペトロフがみた幻覚、幻影。(一部は現実かも。他にもあり)
・武装グループがペトロフをバスから降ろして銃を渡す。拉致してきた富裕層の銃殺に加わる。
・バスの中で出会った旧友に騙されて霊柩車を止め、棺桶の中の遺体を運んでいく。
・行き詰まった友人の自殺を幇助。口に咥えた銃の引き金にかかった指をペトロフが押した。
・ヒーリング能力があるという子供がペトロフを治療しようとする。迷った末にペトロフは拒否。

妻の幻覚は全て暴力的。嫌な客をブルースリー顔負けのキックで蹴り倒す。言う事をきかない息子にさえ殺意を抱いて、喉をかき切る...さすがにこれはいけないと反省したようですけれど。

どうしても仮装パーティに出たい息子。何の仮装をするかと思ったらビデオゲームのキャラクター。私は詳しくないのですが、日本のソニック・ザ・ムービーのような感じ。

一方のペトロフは子供の頃の仮装パーティで雪娘(ロシアの雪女?)に手を握られ、もしかしてホンモノ?と恐怖の記憶が蘇る。冷たかったんだ。それを聞いた息子は何も言わずに父に抱きついた。このシーンだけで本作は合格です。

ペトロフ夫妻は離婚。母は息子を引き取りたいが、
息子はあまり口を聞かなくなった様子。
息子の反抗的な態度にイラッとした母も熱で幻覚。
息子の喉を...すぐ正気に戻ったが潜在意識に驚く。


息子も高熱を出した。熱は42度近くも。
幽霊が集まってくる。そんな話をする息子。
ペトロフは息子をかかえて病院へ走るが。
変なモノが息子を奪いにきた。助けてくれ!


解熱剤で熱が下がった息子。仮装パーティーに。
ペトロフは心配する。仮装は日本のゲームキャラ?
パーティの帰り。息子はペトロフに抱きついた。
(画像は見にくいですけれど)


(おまけ)バスの中で印象に残るシーン。変な母子がいた。うちの子はあんたの病気を治せる。
チャクラが開いているのよ。(この子、女の子かもしれませんけれど)


(おまけ2)キャスト。ペトロフ、ペトロワ(元妻)、息子



※後記
時代設定は2004年。まだソ連時代の記憶も新しい頃。バスはトロリーバス(知ってます?)で、ワンマンではなく車掌が料金を徴収しますが、ソ連時代の官僚のような高飛車な女性。金を払わない奴は放り出すよと怒鳴りまくる。またロシアの世相に文句も。今やロシアはタジク人とユダヤ人に牛耳られている...よく判りません。ネットで調べる気もおきません。




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