わんぱく離婚同盟 (1991年)

製作年・国 1991年・フランス
少年映画評価
お薦めポイント お洒落で小生意気なフランス少年達
映画情報など ビデオ販売終了。本国フランスでは当然DVD販売中
写真は主役のアドリアン・ディラン君。


ジュリアン(アドリアン・ディラン)はフランスの小学生。ジュリアンの悩みは両親の離婚。それを級友たちに知られたくなくて嘘をついてしまった。そんな時、お洒落な少年トマ(ヴォロディア・セール君)が転校してくる。

トマの両親は何度も離婚を繰り返しており、もうそんな事は超越して、非常にクールな少年だ。でもカトリックの伝統の強いフランス社会は、彼を要注意人物にしてしまった。ある日、ジュリアンのライバルである少年クリスチャンに、嘘(両親が離婚している事)がバレてしまい、クラス委員長の座を明け渡す。

それだけでは収まらず、ジュリアンはクラスで孤立。落ち込むジュリアンに、トマが「心配するな」と声をかけ、2人は親友になる。そしてクラスの中で、両親が離婚している派と、そうでない派に分かれて大戦争?が始まった。

少数派のジュリアン達は暴走し、ある級友の両親を離婚させようと画策した。うまくいった。でも、その級友は両親の離婚騒動に深く傷つき、自殺を図ろうとしたのだ。慌てて止めるジュリアン達。ここで初めて彼らは、自分たちの争いの無意味さに気がついた。

一方、この騒動とクロスして、ジュリアンと担任の先生の娘ベネロープとの小さな恋の物語が進行し、親友トマの支援もあって二人の恋は成就する。(成就と言ったって小学生ですけどね。)


体育の時間。サッカーでケガをしたジュリアンの手当をするトマ。友情の始まり
 所感など

フランスでは半数が離婚する?というような社会情勢だったそうですが、子供たちは一見無関係に生きているけど、大きく傷ついているんだ。というようなお話です。実際には、フランス版「小さな恋のメロディ」という感じで、さすがはフランス、少年少女でも恋や愛が中心なんだなあ、と見た当時は思いました。

でも、主人公のジュリアンと親友トマの関係が微笑ましく、少年同士の友情をもっとメインにして欲しかった。トマ役のヴォロディア君が非常にカッコ良く、こんな少年と友達になれたらなあ、なんて思ってしまいましたけど。

この映画を見たのは、東京の「シネ・スイッチ銀座」でした。ご存知、銀座のシンボル時計台のある「和光」のすぐ裏手にある映画館。観客の8割以上が女性で、小さくなって鑑賞したのを思い出します。(映画の配給にも絡んでいたのでしょうか、パンフレットも「CINE・SWITCH vol.19」となっています。)

とにかく、トマ少年をはじめ、フランス人らしく服装や仕草が非常にお洒落で、それだけでも見る価値があります。ただ残念な事は、ビデオが早々に廃盤になり、DVD化の話も全くないこと。また邦題の「わんぱく離婚同盟」もいただけません。もっとお洒落なタイトルを付けて欲しいものです。

 補足 フランス版のDVDより。

映画『フランスの友だち』と同じフランス映画で、国内ではDVD未発売でしたが、本作品もAmazonフランスから一緒に購入しました。

右がそのDVDパッケージ。フランス版にしてはデザインが今ひとつですけど。

もちろんフランス語版で英語字幕もありません。1回見ているので、ストーリーは判ります。日本のAmazonでも中古のVHS版が出ていますが、もうデッキもありませんので。

トマはいかにもフランスらしい美少年
ジュリアンとトマ。トマの頭の形がカッコいい



※後記
余談ですが、この映画の解説の中で、ある女性評論家の言にカチンときました。フランス少年のお洒落な服装を賛美し、一方で日本人少年達の当時の半ズボンはダサイと徹底的にこき下ろしておりました。これは関係ないと思いますけど。





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