舞台はフランスの港町、ニース。ある日、どこからともなく小さな少年モンド(オヴィデュー・バラン君)が一人でやってきた。モンドの両親は誰で、どこで生まれて、何をしてきたのか、まったく判らない。
モンドはこの町に住みつき、まるで風のように自由に暮らし、優しく接してくれる人には「僕を養子にして」と笑顔を見せるのだった。町の人々は、そんなモンドを愛するようになった。退役した船乗り、郵便配達夫、ホームレス、ベトナム生まれの老婦人など。
ただ一つ、モンドは保健所の野犬狩りの人間を極度に恐れるのだ。(この意味は)やがてモンドの事を知った役人は、浮浪児として施設に収容しようと彼を追いかける。そしてとうとうモンドは姿を消してしまった。町の人々の心に大きな穴を残して。