A.I. (2001年)

製作年・国 2001・アメリカ
少年映画評価
お薦めポイント 少年型ロボットの一途な愛。愛に終りはない...
映画情報など 2001年国内公開。BD,DVD発売中。
写真はハーレイ・ジョエル・オスメント君。


1999年の『シックス・センス』で日本でも有名になったハーレイ・ジョエル・オスメント君。その後は主演級の映画が続々と。少年俳優としては輝く存在でした。でもどこか薄幸そうで暗い表情が今ひとつ。

2000年の『ペイ・フォワード』。糞ガキにナイフで刺殺されるラスト。この糞ガキに腹が立って腹が立ってしばらくハーレイ君の作品は見たくないと思って封印していました。本作も公開時は見に行かず。数年後にレンタルで鑑賞。本作が1番ハーレイ君らしい作品ではないでしょうか。微妙な可愛さ。純粋なんですけれど、どこかヒネた部分がある...

自分を人間にしてくれる妖精ブルー・フェアリー(ピノキオに登場)を探して海の中を...
(最後まで一緒にいてくれたのはテディ。熊のロボット)

未来の地球。環境悪化で人口減少。人間に代ってロボットが労働力となっていた。裕福な女性モニカの息子は不治の病気。治療法が開発されるまで冷凍保存。そんな時、夫が少年型ロボット試作品のデイヴィッド(ハーレイ・ジョエル・オスメント)を借りてきた。モニカを永遠に母として愛するようにプログラムする。

しかし奇跡が起きて息子が蘇生。息子とデイヴィッドはライバル関係に。ロボットなのに嫉妬するデイビッド。些細な事がきっかけでモニカはデイビッドを森に捨てた。ここからデイヴィッドの(悲しい)大冒険が始まる。

デイヴィッドは熊型ロボットのテディ、男性型セックスロボットのジョーの3人(体)と行動を共にする。職を奪われた人間達によるロボット狩りから逃げながら、モニカに愛されるために自分を人間にしてくれる妖精を探して海に沈んだニューヨークへ。そして願った。願った。願った。2000年の時が過ぎ...

 前半は静。後半は激動。そしてファンタジー

息子の代りに養子を迎えたら、息子が蘇った。実の子の方が(出来は悪くても)可愛いのは当たり前。養子は用済み。ましてロボットとなれば捨てられてしまうのも当然といば当然。

ハーレイ君はこのロボットに本当にぴったり。愛に飢えていて可哀想だけど少し粘着質でウザったい。もしも超美少年だったらこんなペーソスは表現できません。でも一途な目。うるんだ表情は涙を誘います。

さて後半は、ピノキオ鉄腕アトム母を訪ねて3000里猿の惑星 を足して4で割ったようなファンタジー。意味が判りませんか?是非DVDを鑑賞してみて下さい。

2000年後にデイヴィッドは海の底で発見されます。人類は滅亡済。人類を継承したのはサルでも宇宙人でもなくロボット。デイヴィッドのメモリーを解析し、夢を叶えてくれました。たった1日だけ。ところで宇宙には全ての記録があるそうです。アカシックレコードとかいうのでしょうか。

モニカの前に現れた少年型ロボットのデイヴィッド。
(あんまり可愛くない...)
左は奇跡的に蘇生した実の息子。デイヴィッドの立場は?
息子君は完璧な美少年(性格は悪いけど...)


実の息子と一緒にプールに沈んだ。
デイヴィッドはプールの底に放置(ロボットとはいえ...)
モニカはデイヴィッドを森に捨てた。
ママ!置いて行かないで。悲痛な叫び。


ロボット狩りの人間達に捕まった。
後ろは娼婦型ロボット。こんな時でも優しい..
1人の少女のおかげで脱走できた。テディと一緒に
人間になれる方法を教えてくれるという場所へ。


波乱万丈の冒険の末、海の底で2000年。
(錆も腐食も無い。どんな材料なんだろう...)
2000年後のロボットが夢を叶えてくれた!
(2000年待ってたった1日。でも幸せ満面の笑顔)



※後記
本作品の隠れた主役は熊型ロボットのテディ。デイヴィッドのピンチを何回も助けてくれました。2000年後も一緒。考えたら日本のSFアニメの少年ヒーローにはこういうペット型ロボットが必需品。ソランの肩にいたチャッピー(知らん?そりゃ当然)でも本作のテディはオッサンぽいのですけれど。




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