13歳の少年マルコ(マルコ・コバチェビッチ)。父はわがままで暴力的。姉も父と全く同じ性格。母は長年の暴力のせいか無気力。家庭にマルコの居場所はなかった。学校では酷い不良グループがいて毎日が暴力の日々。そんなマルコに国語教師が目をかけた。詩のコンクールに参加しないか。優勝するとパリに行ける。
しかし家や学校は詩を書ける環境ではなかった。車庫に放置された廃列車が唯一の秘密基地。ある日、そこに男がいた。マルコは驚くが男と親密になる。男は世界を旅する泥棒だったが、マルコは一緒に連れてってくれと頼む。
やがて悲劇。国語の先生はマルコを見捨て、列車の男もマルコを捨てて去った。不良グループの罠にはまって犯罪の首謀者にされた。不良グループのボスの拳銃を奪ったマルコは国語教師を射殺した...
本当にやりきれない作品。暴力が暴力を生み、最後は無垢な少年に殺人までさせる...私の基準では少年映画とは認定しないのですが、それ以上に主役のマルコ少年が魅力的でした。格別な美少年とまではいえませんが、彼の目や表情が頭に残って...
しかし国語教師を殺すとは...他に殺すべきヤツがいるでしょう。不良のボス。父が警察署幹部のため、学校も見て見ぬふり。やりたい放題。私が必殺仕事人ならまずコイツを...すみません。暴力映画をみると、伝染して自分の中の暴力的意識が目覚めてしまいます。それもあって暴力映画は好まないのです。
考えてみればイリュージョンを見せて貰っただけでも特別なこと。マルコが美少年だから? 国語教師も泥棒も、容姿がイマイチな少年なら無視したような気がします。私のヒガミ根性かもしれませんけれど。