Anche Libero Va Bene (2006年)
製作年・国 |
2006・イタリア |
少年映画評価 |
A- |
お薦めポイント |
孤独な少年の眼差しが印象に残る。 |
映画情報など |
海外版DVDあり。 写真はアレッサンドロ・モレス君。 |
11歳のトミー(アレッサンドロ・モレス)はどこか孤独だった。父と姉がいるが親しい友人はいない。サッカーが好きなのに父の命令で水泳クラブに通っている。誰もいないマンションの屋上ですごす事が唯一の楽しみだった。同じマンションにアントニオ(セバスティアーノ・ティラボスキ )という少年が引越してきて初めて友人ができた。
突然母が戻ってきた。父は激怒して追い出そうとするが母は泣いて懇願。家族4人の生活が戻った。姉は大喜び。しかしトミーは複雑だった。母はトミーを気にして精一杯の愛情を注ぐ。しかしトミーの不安は的中。母はまたいなくなった。トミーは水泳大会で途中棄権。父はまた激怒。母からトミーに手紙が届いた。涙が溢れ出る...
とにかく主役のアレッサンドロ・モレス君の演技が素晴らしい。スペイン映画『El Bola』とよく似たテーマとストーリー展開。本作も外国映画本編に入れようかと大変迷いました。El Bola のような少年同士の友情をもう少し深く描いてくれていたら。
初めてできた友人のアントニオは明るい少年。アントニオの父や家族もトミーの事を気遣ってくれる。しかしトミーとアントニオの間には見えない壁があるような感し。トミーはとっておきの場所である屋上にアントニオを連れていくのですが。高さにびびってしまって...
もう一人、転校生の少年クラウディオ。みんなに無視されて独りぼっち。トミーは隣の席だが会話は無く、教科書も見せてあげない。でもトミーはクラウディオが気になって仕方がない。2人が(アントニオにあるような壁のない)本当の親友になるものと思っていました。最後にほんの少しその片鱗が。本当に惜しい...
困ったのはトミーの父親。悪い人間ではないのは確か。でも感情の起伏が激し過ぎる性格。怒り出した止まらない。これは家族に対してだけではなく仕事も同じ。そのせいで何度もクビになったり。母親が家庭放棄、育児放棄して家出を繰り返すのも、実は父親のせいかもしれません。
マンションの屋上はトミーの「とっておきの場所」だった。
(秘密の隠し場所もある。そこに双眼鏡とか貯金箱を置いていた)
トミーは普通の少年だが、どこか暗い影があった。
(家を出た母を思うのか、父の短気を恐れるのか)
初めて友人になったアントニオは明るい少年
(同じマンションに引っ越してきた)
転校生のクラウディオはいつも一人ぼっち。
トミーは彼と友人になりたかったが、どうしても...
戻ってきた母はトミーだけを遊園地に。
(距離を置くトミーに愛情を示したかった。)
※後記
タイトルのAnche Libero Va Beneを自動翻訳すると「タダ(無料)でもいいよ」。すごく意味深な言葉ですね。でも実際はサッカーのポジションの事で「リベロでもいいよ」との事。
トミーの姉は美少女。お調子者でいつもテンションが高い。しかし計算高いのです。どの線を越えれば父親が怒り出すかをしっかり認識。そして父親も姉には甘い。弟のトミーに執拗な嫌がらせ。トミーが腹を立てて汚い言葉を吐くと父親が激怒。トミーだけを一方的に。(なんとなく最近の天てれの女子たちを思い出して...)