リトル・ランボーズ (2007年)
製作年・国 |
2007年・イギリス・フランス合作 |
少年映画評価 |
A+ |
お薦めポイント |
映画づくりに熱中する2人の少年。最後は涙 |
映画情報など |
DVD発売中 写真は主役の1人 ビル・ミルナー君。 |
本作品を鑑賞したのは、2010年11月13日。この日は『リトルランボーズ』と『100歳の少年と12通の手紙』という欧州の少年映画が、2本同時に大阪で公開。初日に2本とも見てやろうと戦略を立てました。
まずシネリーブル梅田で16:15からの『100歳の少年と..」の整理券(1番)を貰い、そのまま心斎橋へ。13:00からの『リトルランボーズ』の整理券(こっちは11番。1が3つ並び、縁起がいい)を受領。その後、ゆっくりラーメン屋で昼食をとり、いよいよ鑑賞。
結論から言うと、ちょっとハチャメチャ、少年同志のラブストーリー?そして最後は涙のハッピーエンド。いやあ〜久し振りに「this is 少年映画」でした。
ひ弱な美少年と、一見悪ガキの少年が、ひょんな事から友達になり、シルベスター・スタローン主演「ランボー」の世界に魅せられて、映画を作り始めた。2人だけのお馬鹿な映画作りは楽しく、2人とも親の愛に問題があるだけに、友情というより、恋人同士みたいになっていく。
しかし2人だけの世界は儚く終り。映画作りをクラスメイトに知られ、みんなが強引に参加。世間知らずの美少年は喜びますが、悪ガキ君は面白くない。「君と2人だけで作りたいんだ」その後、2人の少年に危機が訪れ、悪ガキ君は重症を負ってしまいます。2人の友情は復活するのでしょうか。
所感など
(以下、実名と役名がややこしいので、実名で紹介します。)最初に登場するのはビル・ミルナー君。非常に繊細な超美少年です。宗教の事はよく判りませんが、戒律の厳しいキリスト教信者の家庭で、世間の事を何も知らず純粋培養された少年。なにせ、宗教上の理由でテレビを見ることまで禁じられているのですから。
また、母親と妹は、まるでフェルメールの絵から抜け出てきたようなファッション(それを狙っていたのかも)。一方、もう一人のウィル・ポールター君。いきなりタバコを吸い、そばかすだらけの不敵な面構え。悪ガキそのまま。正直言って、こっちの少年はパスしとこう、と思っていました。
でも違うんです!このポールターに最後はやられました。涙です。可愛いいんですけど、最初は本当に糞ガキでした。ポールターはミルナーと二人だけの時間を過ごしたいのに、ミルナーはそんな思いを無視し、みんなにおだてられ、ポールターに酷い仕打ちをしてしまいます。
ここまで可愛いミルナー君に感情移入していましたが、このシーンで嫌いになり、ポールター君へ乗換えました。いろいろと出来事があり、最後のシーンで仲直りするのですが、不覚にも涙が出てしまいました。本当にいい顔をしています。
この作品の紹介に、米映画「スタンド・バイミー」を持ち出しているレビューをいくつか見ました。確かに似ている点もありますが、それよりも2人の関係は「オリバー」や「小さな恋のメロディ」のジャック・ワイルドとマークレスターの関係を思い出しました。(若い人は判らないかもしれませんが)
特に、女の子が出てきませんので、2人の関係がよりピュアに思えてしまいます。作品中に少し貧弱なCGやアニメーションが使われていますが、そんなのより、もう少し2人の友情シーンを掘下げても良かったかなと思うのは、欲深いでしょうか。
ポールター君も、よくみると可愛い
ラスト。この字幕が涙を誘います
追伸です。
本作の中に、フランス人交換留学生で、キザで女たらし、あごに髭まで生やした嫌な生徒が出てきます。彼は、ジュール・シトリュクさん、あの映画『ぼくセザール、10歳半 1m39cm』の主役。ああ、時間というものは残酷なものですね。