エミルの空 (1994年)
製作年・国 |
1994年・アイスランド他 |
少年映画評価 |
B+ |
お薦めポイント |
アイスランドの美しい風景。自転車で駆け抜ける少年 |
映画情報など |
国内未公開。DVD販売終了(中古は豊富にあり)。 写真はカウリ・グンナルソン君。 |
あまり馴染みの無いアイスランド。北欧っぽい印象を持っていましたが、本作をみるとずっとのどかな感じでした。オーソドックスな少年と犬の映画。犬に負けず少年も可愛い。
バスは行ってしまった。ここからは自転車でお祖父ちゃんの家をめざすんだ。
(アイスランド。美しいけれど周囲には本当に何にもない)
レイキャビクで暮す8歳のエミル(カウリ・グンナルソン)。両親はマイホームを建てようと共働き。エミルは犬が欲しいが、そんな余裕は無いと言われる。そこでエミルはバイトをしてお金を貯め、郊外に住む犬おばさんから子犬を買った。しかし両親は犬を飼う事を許さない。
エミルは犬と家出してお祖父ちゃんの家を目指す。そこはアイスランドの反対側。バス代が途中までしかなく、そこから自転車でひたすら走る。親切なオヤジや女の子に助けられるが、通報を受けた警察に保護されて冒険はあっけなく終り。でも両親は犬を飼う事を許してくれた。
とにかくエミルが可愛い。田舎に住むお祖父ちゃんが大好き。お祖父ちゃんの愛犬が死んだと聞いて、エミルは代りの犬が欲しくなった。両親の経済状況は判るので自分でお金を稼ごうと決意。たった8歳ですよ。しかし8歳でもアルバイトがあるのが驚き。新聞売り。
日本の新聞配達ではなく、街頭で新聞を売るのです。1枚売っていくらになるのか知りませんが、これでは到底お金なんか貯まりません。おまけに「ここは俺のショバだ」という連中もいて、人通りの多い街角では、8歳の子供なんか追い出されます。
それで粘り強く職探し?を続けた結果、木工所で手伝いをする事に。これは法律違反ではなんて思いましたが、木工所のオヤジは手伝いもさることながら、少年が一緒にいてくれるだけで張り合いが出て嬉しかったんでしょう。
さて欧米映画に登場する思春期前の少年。可愛いけれど自我が強すぎて辟易となる事が多いのですが、エミルはそれ程でもありません。もちろん意思や自己主張ははっきりしていますが、相手の立場も考えられる少年でした。
タイトルのエミルの空。エミルは草原に寝転がって空を見るのが大好き。空想ゲームといって、雲の形をみて、そこにお城や物語などを重ねていきます。こういう内面的な少年や少女は感情が豊かになるような気がして好きです。
仕事ありませんか。エミルは会社に飛び込む。
さすに8歳の少年を雇うことは出来ない...
貯まったお金を数えながら寝てしまったエミル。
(寒くないのかな。青いビキニブリーフがお洒落)
とうとう念願の子犬を手に入れた。
犬おばさん。可愛がるのよ。愛にこたえてくれるわ。
両親は犬を飼うのを許さない。ウソをついた。
家を出ていこう。少年は荒野?をめざす...
※後記
アイスランド。やっぱり北欧と同じなのか家具などの工業デザインがおしゃれで。上の写真ではよく判らないかもしれませんが、エミルの乗る自転車の色合いなんか本当にメルヘンチック。北欧から輸入しているのかもしれませんけれど。