何不自由なく暮らしていた少年マックス(マックス・レコーズ)は、わがまま放題。その日も些細な事で家がいやになり、飛び出して行った。しかしいつもとは違い、たどり着いたのは怪獣が住む島。怪獣たちと友だちになり、最初は喜んでいたマックスだったが。
この島にも嫌な事はたくさんある。それを思い知らされる事になり、やがてマックスは...
製作年・国 | 2009年・アメリカ |
少年映画評価 | A+ |
お薦めポイント | 怪獣たちの島で少し成長した少年。 |
映画情報など | 2010年国内公開、DVD発売済み 写真は主役のマックス・レコーズ君。 |
2010年1月19日、梅田ピカデリー(大阪)にて鑑賞。
ようやく観ることができました。基本的には外国映画は吹替でなく字幕版をみることにしています。やはり役者の生の声を聞かないと(本当は原語で理解できればいいんでしょうけど。残念ながら英語でもムリです)
この映画は「こども店長」で人気者になった加藤清史郎君が吹替えをやっていることもあり、大半の映画館が日本語吹替版をメインにしています。字幕版を上映している映画館を調べたら、梅田ピカデリーで19:10からの回があり、残業を止めて、仕事帰りに寄ってきました。
サラリーマンスタイルで、男1人でこんな映画を観るのは勇気が要りました(最近は開き直り気味ですけど)。平日だし、どうせ閑古鳥が鳴いているのかなと思っていましたが、意外に人が多く、何より、勤め人風の男もチラホラといるのが心強かった。
何不自由なく暮らしていた少年マックス(マックス・レコーズ)は、わがまま放題。その日も些細な事で家がいやになり、飛び出して行った。しかしいつもとは違い、たどり着いたのは怪獣が住む島。怪獣たちと友だちになり、最初は喜んでいたマックスだったが。
この島にも嫌な事はたくさんある。それを思い知らされる事になり、やがてマックスは...
映画は、傑作といわれる原作の絵本から、独自の世界を創りあげた話題作。すでにネットで色々とレビューを読んでいたので、決して子供向け作品ではないのは理解していました。何も考えずに見ると、平坦なストーリーゆえ退屈するかもしれません。ネットでも評価は大きく分かれているようです。昔の「ネバーエンディングストーリー」などを期待していた人には、まず受けない映画でしょう。
「かいじゅうたちの王国」は主人公のマックス少年にとって、人間とは何か「気づき」を与えてくれる世界な訳ですが、本当は全ての人々が心の中に持っている世界なのかもしれません。きっと私も夢の中でこんな世界に行き、そして大切な事を学んでいるのに違いありません。でも悲しいことに、朝には全て忘れてしまうんです。マックスのような少年でないので。
マックス・レコーズ君に尽きます結論から言えば、この映画は主人公の少年に尽きる訳です。最初は、ただのわがままなガキ。その彼がだんだんと成長していき、最後に王国を去る時には、本当にいいヤツになって、ちょっと切なくて、本当に素晴らしい少年でした。(マックス少年のリアルなフィギュアが販売されており、思わず欲しくなるほど)
今の日本では、こんな本当の少年映画は殆ど無くなってしまいました。スパイク・ジョーンズ監督も、マックス君1人で勝負したんでしょう。日本映画だと、少年主役といいながら、制作会社や事務所の論理で、結局大人、それも有名俳優が前面に出てきて、何やらメリハリもないドラマになってしまうのが現状です。
最後に1つだけ文句。これはかなり大きなマイナスポイント。まるで素人の手持ちカメラのように、画面が揺れて安定しないのです。最初だけかな、と思っていましたが、結局、最初から最後までこんな調子でした。これはマックス少年の心象として、わざとブレさせているのかもしれませんが、大スクリーンでこのブレ画面は辛いですよ。