Vuelve (2012年)
製作年・国 |
2012・アルゼンチン |
少年映画評価 |
B- |
お薦めポイント |
目の前で自殺した母の亡霊と少年。その秘密... |
映画情報など |
国内未公開。海外版DVDあり。 写真はレンツォ・サベリ君。 |
少年への性的暴行の容疑を受けて自殺。そんな衝撃的な最後を遂げたアルゼンチンのイヴァン・ノエル監督の長編第4作。スペインからアルゼンチンに活動拠点を変え、より自由な視点で製作活動を展開。しかし作品は観念的、宗教的になり、私には難解でした。
母が自殺し、亡霊となった。また戻ってくるために助けて欲しいと。
(白いシャツ。白いズボン。下着も白。ノエル監督の好みなのでしょう)
12歳の少年ガブリエル(レンツォ・サベリ)は果樹園を経営する両親と暮らしている。母親は精神が不安定でガブリエルの目の前で飛び降り自殺。しかし母は亡霊となってガブリエルの前に現れた。母が復活するためにガブリエルに助けを求める。父や伯母はガブリエルの精神状態を心配するが。
母の亡霊により色々な秘密を知る。ガブリエルは養子で実の母は別におり、彼女はガブリエルを取り戻そうとしていた。ガブリエルは実の母の存在を認めず、彼女を殺害、父も殺害。そして自分も池に飛び込む。これは亡霊となった母の復讐劇だったのか...
Vuelveとはスペイン語で「戻ってくる」との事。自殺した母親が戻ってくる。この母親はいつも精神が不安定で、映画をみていても一番苦手なタイプ。父も平気で浮気している。こんな両親のもとで育った少年も大変だったでしょう。
少年はガブリエル。母はソフィア。父はグレゴリオ。実の母はエヴァ。キリスト教の事はよく知りませんが、聖書などで出てくる典型的な名前のような気がします。そして最後はみんな凄惨な死に方。反キリスト教的な思想が監督にはあるのかもしれません。
少年役のレンツォ・サベリ(Renzo Sabelli)君。とにかく目が印象的で、まつ毛が上下とも長くて神秘的に見えます。また悪魔的にも。その容貌に違わず、父親を電気で感電死させ、実の母親を突き落とし、死んだ母親の股間から胎児のようなものを取り出します。本当にエグくて...
しかしメイキング映像では普通の少年。実は泳げないのでプールで特訓。監督やスタッフさんに見せる笑顔をみると、ほっと安心します。難解かつ暴力シーンのある作品ですので、あまりお勧めはできませんけれど。
母を見つめる少年ガブリエルの目。
母子というより性的な関係を示唆しているのか。
しかし常に母の顔には思い詰めたような皺が。
(母というより祖母に見えてしまう)
母が自殺。池に飛び込んだ息子を助ける父親。
(父親の腕の毛がものすごい...)
母が生きていた時。いつも身体を洗ってくれていた。
(シャワーやバスのシーンはお約束)
父親を殺し、実の母も殺してしまった。
(母の本当の目的はこれだったのか)
メイキングより。勉強を教えて貰っている。
少年も母親も全く別人のように明るい。ひと安心。
※後記
亡くられたイヴァン・ノエル監督ですが、公式サイトが残っており、各作品について監督の意図やコメントがpdfで保存されています。1番最後の作品で、少年俳優との意志疎通が不十分だったのでしょうか。今(2023年)になり、国内でも某事務所の問題が、英国のマスコミで取り上げられた事を契機に話題になりつつあります。
私はよく判りません。