リアル・スティール (2011年)

製作年・国 2011年・アメリカ
少年映画評価 A+
お薦めポイント ロボットのファイトとダコタ・ゴヨ君の可愛さ
映画情報など DVD・BD発売中
(写真は、ダコタ・ゴヨ君)


2011年12月10日、TOHOシネマズ梅田(大阪)にて鑑賞。

街なかに貼られていた映画のポスターを見て以来、ずっと見たかった映画でした。ポスターが貼られた当初はそんなにも話題になっていませんでしたが、公開が近づくにつれて、テレビやメディアで集中的にプロモーションがあったせいか、逆に少し冷めてしまっていました。大々的に宣伝するようなハリウッド映画は、えてして期待ハズレが多いもの。

近未来のアメリカ。野蛮という理由で人間同志の格闘技が禁止され、ボクサーのチャーリー(ヒュー・ジャックマン)は失業。人間の代りにロボットの格闘技が盛んになり、チャーリーも中古ロボを買って参戦していたが、パッとしない。そんな時、自分に息子がいる事が判り、さらに引き取ることになった。

息子はマックス(ダコタ・ゴヨ)。少しオタクな性格で、当然の事ながら父になつこうとはしない。ある日、マックスと父はゴミ置場で旧式ロボットを拾う。旧式であるが、マックスはこれを修理して格闘技大会に参戦すると宣言。最初は、そんな旧式ロボとバカにしていた父だったが、次第にマックスと同様にロボットに入れ込んでいく。

そして各地の大会で勝ち進んでいく。いつしかマックスとチャーリーも本当の父子になっていった。そして決勝戦。父は自分がボクサーだった頃の熱い経験をロボットに伝えて臨むが。


 期待通りのエンターテイメント作品

ストーリー的には何の変哲もないものですが、観客を楽しませる力は本当にハリウッドならでは。脱帽です。ロボットのボクシングなんて盛上るのかな、なんて疑問を持っていましたが、ふだん暴力的なシーンは嫌いな私ですが、気づくと血が騒いでいました。

元ボクサーのダメ親父を演じたヒュー・ジャックマン氏のとぼけた、そして熱い演技は何といっても安定感抜群。こういう肉体派を演じられる男優は日本には少ないかも。そして何と言っても、ダコタ・ゴヨ君が素晴らしい。

ヨーロッパの貴公子然とした美少年では決してなく、自己主張の強い、生意気そのもののガキ。でも憎めない。こんな少年が側にいたら怒声が絶えないだろうなあ。でも居てくれると人生に活力が出る。そんな存在感を感じました。

本当に表情が豊かです。成長途上なので顔つきが定まっていないせいか、角度に寄って別人のように見えるのが、少年俳優の楽しみ方。(当然ですが不細工に見える角度も)ポスターや表紙の写真は、どことなく大人の女性的な顔立ち。

映画で最初に登場した時は「えっこれがあのポスターの少年?」と思うほど幼いガキでした。それが、ゴミ捨場でロボットを見つけ出した時の精悍な表情は全く別人。ツンと上を向いた鼻がチャームポイント。

 アメリカの底力か

それにしても米国は恐ろしい国。経済や国力が低下したとはいえ、こんな夢を持った少年映画を作れるのですから。それも凄い製作費をかけて。未来のジョブズやゲイツが色んな分野で出てくるような可能性を感じました。翻って日本はどうでしょう(そら来たぞ、また自虐論。すみません)。いや、今回は日本ダメ論はなしにします。

もともとロボットと少年というのは、日本の十八番だったのかもしれません。鉄人28号を操縦していたのは正太郎少年、ジャイアントロボを操縦していたのも大作少年(知っています?)。ヒーローではなく、お茶の水博士(鉄腕アトム)や、敷島博士(鉄人28号)に憧れて技術者になった少年も多かったのでは。それが技術大国日本のベースになったのだとしたら。

そうですよ。少年が活躍する映画も、年間何本かは作りましょうよ。それが日本を復活させる原動力になるかもしれません。(もちろん同じ趣旨で少女が活躍する映画だって必要です)私が少年時代には少年主役だったアニメ「鬼太郎」「怪物くん」「妖怪人間」などが実写化されていますが、できれば主役を少年俳優に取り戻して貰いたいもの。異論はあるでしょうけれど。

ゴミ置場でロボットを見つけた瞬間
(まるで宇宙人か妖怪人間のようにも見えます)
プロモーションで日本へ。WeCan47に出演
(隣の清水優哉君の方が背が高いのか)





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