ヒューゴの不思議な発明 (2011年)

製作年・国 2011年・イギリス/アメリカ
少年映画評価 A+
お薦めポイント とにかくエイサ・バターフィールド君の魅力
映画情報など DVD発売中
写真は主役のエイサ・バターフィールド君


2012年3月3日、TOHOシネマズ西宮CS(兵庫)にて鑑賞。

これも本年度期待の少年映画。異例の木曜日からの公開。毎月1日は映画サービスデイのため、1日木曜に公開して、観客動員のスタートダッシュにしたのでしょう。3Dで見ようか迷ったのですが、今年初っ端のAlways三丁目の夕日で懲りていたので、2Dにしました。2Dの脳内補完で十分迫力は楽しめたのですが、この作品は3Dの評判も良いので、少し間違ったかな、という気もしています。

 これは堂々の少年映画!

※今回は、独立したストーリー欄はありませんが、前半のストーリー展開に沿ってレビューしています。もちろん後半などのネタバレはありませんので、ご安心して映画を見て下さいね。

例によって、見る前に試写会等のレビューを読んでいますと、この作品の主役は「映画」だとか「発明なんかしていない」とか「邦題がおかしい」とか不満タラタラなものばかり。なので、あまり期待もせずに鑑賞しましたが、どうでしょう。

映画の主題は確かに「映画へのオマージュ」かもしれませんが、主役はなんといったって、ヒューゴ(エイサ・バターフィールド君)です。映画全編を通して、エイサ君の演技が光ります。彼の目、表情、声、動き、涙、夢、アクション。これだけの熱演をしている少年俳優に対し、主役は映画だなんて、本当に酷い話だと私は思います。

映画の舞台は第1次大戦後のパリ駅。駅の秘密の空間に住んでいる孤独な少年ヒューゴ。父の形見とも言うべき機械人形の修理に没頭するしか、生きる希望がありません。<そのヒューゴ少年に対し、全ての大人が辛く当ります。

特に鉄道公安官、修理屋のオヤジ(実はこの映画のキーマンです)、この2人がヒューゴを目の仇にしてイジメます。オヤジに大切な父のノートを奪われ「返して」と野良猫のように後をついていくヒューゴ。寒い雪のパリの街、薄っぺらい半ズボン姿が痛々しい。(ちょっとSっ気のある私には、このシテュエーションは嬉しかったりして。実は監督さんも同じ趣味なのかも)

修理屋の養女イザベル(クロエ・グレース・モレッツさん)と友達になり、話は進展しますが、相変わらずヒューゴは大人に嫌われています。まるでNHKの「おしん」のような展開。

これ以上は省略しますが、やがてヒューゴの努力は報われます。そしてあれだけ目の仇にされていた鉄道公安官にも命を助けられる事に。公安官へ涙で訴えるヒューゴの言葉がジーンときます。欲を言えば、最後の最後は、ヒューゴを抱きしめてあげる大人がいてもいいのに。でもハッピーになって本当に良かった。

イザベルのベレー帽をさっと取って、自分で被るユーゴ少年の表情が一番可愛かったのですが、パンフにもいい写真が見当たらないのが残念。日本で、いや世界で大人気のクロエさんもいい味を出していましたが、この作品では完全に助演に徹しています。

父の残した設計図で機械人形を作る
美少女クロエさんの隣でも輝きを失わない


ヒューゴを演じたエイサ君がもっともっと評価されてもいいのに。アカデミー賞の地味な部門を5つ取ったって、肝心の主役のエイサ君の名前が全く上らないのは残念に思います。

舞台はフランスでしたが、雰囲気は英国ディケンズの世界のような映画。でも音楽はシャンソン風。これは絶対に映画館のスクリーンで見ておくべき映画だと思います。いや〜あ、満足しました。




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