キューバと聞いて思い出すもの。カストロ、ゲバラ、野球、ラム酒くらい。イメージでしか知りませんでした。本作はカンヌ映画祭のジュニア部門でグランプリを受賞するなど高い評価のジュブナイル映画ですが、日本では残念ながら未公開。(何かのイベントや映画祭で上映されたかもしれませんが)。
ハバナに住む少年ホルギト(ホルヘ・ミロ)は中流家庭の少女マル(マル・タロ・ブローチェ)が好きだった。そのマルの母が外国人と結婚してキューバを離れるらしい。マルは嫌だった。離婚してキューバ東端の灯台で働いている父ならば、マルの外国行きを拒否してくれるかもしれない。マルはホルギトと一緒に父に会いに行く事にした。
家出した2人。列車に乗るがお金が足りずヒッチハイクと野宿を重ねる。夜の浜辺の満天の空の下で。怪物が出るという森で。食べ物は盗むしかない。途中の町でマルが歌コンに飛び入り。それがTV中継されていて両親に見つかった。親切な男のサイドカーに乗って何とか灯台に到着。そこには父と2人の両親が待っていた。
少女マルの家は中流階級。社会主義の国ですから中流と言ったって大した事はありません。一方少年ホルギトは貧困層。でもキューバではこれが普通。2人の母親は互いに「あんな子と付き合っていけない」と口汚く注意します。あんな下品な少年と。あんな外国移民の娘と。
それでも2人はお構いなし。「ずっと友だちでいようね」とタイムカプセルを埋めたり。しかし家出してずっと2人でいると、やはり些細な事で喧嘩の毎日。マルの方が1歳年下ですが身長はホルゲトより高い。口も行動力も達者。でもホルゲトは彼女を守るボディガード気分が抜けず。
南国キューバらしい、のどかなロードムービー。少年も少女も大変キュート。ただ少年ホルゲトの服装がダサいのが残念。マルと同じようなファッションで走り回って欲しかった。