Black Feet(1987年)

製作年・国 1987・ポーランド
少年映画評価 B+
お薦めポイント キャンプに出かけた少年たちの小冒険。
映画情報など 国内未公開。字幕無し版がネットで視聴可。
(写真はマルチン・コヴァルチック君ほか)


ベルリンの壁崩壊前のポーランド映画。原題は『Czarne stopy』 こちらで検索した方が色々と情報がありそうですが、ここでは英題『Black Feet』にします。ボーイスカウトの少年たちが本当に生き生きとしていて楽しい作品。英語字幕のビデオをある方に見せて頂いたのですが、ブルーレイ化を切望して止みません。

ボーイスカウトの少年たち。チーム名を「Black Feet」と名付けた。
(この時代のスカウトたちの制服。ズボンが短くてカッコいい。)

ポーランドのボーイスカウトの少年たちが1週間のキャンプへ。少年たちは自分のチームをBlack Feetと名付けて結束を図る。森を探検していると、どこからともなく視線を感じる。そして木で作られた矢印がいくつも。これは何かの罠だろうか。何か未知の怪物だろうか。少年たちはForest Eyeと呼んだ。

ガールスカウトに盗まれた団旗を奪還したり、墜落したグライダーを救助したり、少年たちは大活躍。そして帰る前日、Forest Eyeが正体を現した。スカウトの大先輩だった。彼は少年たちの行動を試していた。そして合格だと。最後の夜。初めて参加したマレク(マルチン・コヴァルチック)は夢を見た。それは...


少年たちの中で誰が主役かよく判りません。親に反対され、これまでキャンプに来れなかったマレク少年がキャストロールの最初でしたけれど、チームBlack Feetの少年全員が主役だと思います。実際に彼らは子役ではなく、本当のボーイスカウトだったとの事。

森の中で見つけた不気味な矢印。ホラー映画でよく見る悪魔の目印みたいな感じ。でも少年たちが矢印を追いかけていくと、そこは一面の野イチゴ。みんな一斉に我を忘れて野イチゴを頬張ります。もしかして罠で毒イチゴ? いえいえそんな事はありませんでした。矢印を置いたのはスカウトの大先輩。これもテストなんでしょう。

近くでは他のスカウト団もキャンプしています。当時は当然でしたが男女は別。まさガールスカウトたちが男子キャンプに忍び込んで団旗を奪うとは。でもマレクとチームBlack Feetの少年が、策略を練って団旗を奪還するのはお見事。少年少女が恋におちるシーンはありませんけれど。

さてBlack Feetとはアメリカインディアンの部族のこと。少年たちはインディアンの扮装をして踊りまくります。もしかしたらこれは先住民を侮辱する表現で、これがあるために本作はブルーレイやDVDに出来ないのかもしれません。

最後の夜にマレクが見た夢。スカウト隊員が全員インディアンになってマレクを襲撃。なにやら不気味な儀式の生贄にされます。仰向けに担ぎ上げられ、もっと脚を開け。そして木製の責め具で股間を...
酋長が「これでお前も仲間だ」。これは年頃の少年が見るアノ夢じゃありませんか。


キャンプへ出発する少年たち。
マレクがいないのに気づく。
キャンプ地へ向かうバスの中。
(隊員の1人。名前は失念)
テントを組み立てる。
1週間過ごす本格的なテント。


森の中を探検すると...
得体の知れない視線を感じる。
チームのリーダー格の少年。
(やはり名前は失念)
隊長が巡検に来たぞ!
慌てて寝床へダイビング。


森の中。邪悪な雰囲気の矢印が。
少年たちは追跡していく。
ガールスカウトのキャンプを偵察。
盗まれた団旗を奪還するんだ!
野犬に襲われて木の上に逃げる。
野犬は去らない。ピンチが続く。


グライダーが墜落したぞ。
現場へ急ぐ隊員たち。
マレクの悪夢。インディアンが股間を
英語字幕の緊迫感が凄い。
(これもインディアンへの偏見か)
最後の夜。隊長から表彰されるのは
今回初めて参加した隊員たち。



※後記
1987年のポーランドは東側の国。でも少年団はソ連風のピオニールではなく、欧米風のボーイスカウト。歌もアメリカ民謡や英国の蛍の光。何よりインディアンが大好き。もともとソ連が嫌いなのでしょうか。それでも匍匐前進など軍隊風の教練もあるのが興味深いところ。
そしてポーランドの森といえば様々な悲劇も。カチンの森事件のように、1万人ものポーランド人がソ連軍に虐殺されたとか。その恨みが、日本風に言えば怨念のように残っているのかもしれません。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼外国作品庫へ戻る