2021年夏に亡くなられた少年映画の巨匠イヴァン・ノエル監督の最後から2番目の作品。例によって現代文明が何らかの理由によって破滅した後の世界を描いています。アルゼンチンには、そんな荒野のような風景を撮影できる場所が数多くあるからでしょうか。DVDなのが残念。BDでみたかった。
近未来。何かの理由で現代文明は破滅。生き残った人々は暗黒の中世のような価値観。(キリスト教かどうか不明ですが)神父が村人を支配。一番厳しい掟はチサという花を食べてはいけない事。この花は甘く、掟を破る子どもたちも。神父の説教中、一人の少年がなぜ?という質問を連発。少年は両親から山へ追放された。
山にはチサを食べた子どもの集団。村から大人がやってくる。少女を1名差し出せと。少年は集団の中の1人の少年と親密になるが、その少年は村へ拉致された。村に流れる川が枯渇。大人たちは山の泉の水を流すよう要求するが、少年は泉にチサの花を投げ込んだ。大人たちは絶望して村に戻り、そのまま死に絶えた。
禁断の実であるリンゴを食べたアダムとイブが天国から追放。その罪は全ての人間が生まれながらにして持つ原罪というそうです。教徒ではありませんので詳しい事は知りません。本作ではチサという赤い花が禁断とされています。これは甘い味がして、甘味に飢える子どもたちが禁を犯すのでしょうか。
花の事もよく知りませんが、コスモスのような赤い花。もしかしたらケシのような麻薬成分でもあるのかもしれません。これを食べると人間は変な知恵?がついて堕落してしまう。神父の言う事など聞かなくなる。(全く関係ありませんが♪赤く咲くのはケシの花...のメロディーが頭の中に...)
イヴァン・ノエル監督といえば少年愛者のイメージですが、アルゼンチンへ移ってからの作品にはエロティックな美少女も多数出演。本作品にも少女たちの肢体にドキッとするような場面もありました。
本作の主役少年ですが、役名やキャスト名を特定することが出来ませんでしたが、少し東洋系?の面影もあって日本人の私にも馴染みやすい感じ。彼と友人になるのは正統派の美少年。全裸で水浴中に村の大人に捕まって拉致されるのですが、もっと酷い事をされたような含みのあるシーンも。