なんとも不気味な作品でしたが、妙に印象に残ります。女性監督だけにグロテスクさは控え目。女性と少年しか登場しない映画はめったに見られません。私は2016年に渋谷のアップリンクで鑑賞。最近になってDVDをレンタルして再度鑑賞。夢に出てきそうな映像は大したものです。
10歳の少年ニコラ(マックス・ブラバン)はある小さな島で母とで暮らしていた。女性と少年だけの島。友人たちも全て母子家庭。ある日ニコラは海中で自分と同じ年頃の少年の死体を見つけた。母が泳いで調べてくれたが死体は無かった。母たちは夜になると海岸へ出かける。ある晩、ニコラは友人と母たちの後をつけた。女性たちは恍惚の表情を浮かべて交わっている。背中にはタコのような吸盤があった。
やがてニコラは島にある病院に入院させられた。友人たちも一緒だ。少年たちは腹部に何かを移植され、不気味な怪物が生まれる。用済みになった少年たちは始末。だが看護師ステラはニコラの感性や絵の才能を惜しんで逃してくれた。1人ボートに載せられて、やがてフランス本土が見えてきた。
この島の女性たちはエイリアンでしょうか。それとも生物進化の過程で突然変異した種族だったのかもしれません。女性同士で交わって子孫を残すのですが、どうしても男性のDNAも必要。そこで少年をさらってきて、少年の体内に彼女らの種?を植え付け、種は少年のDNAだけ吸い取って成長。
大人の男は使い物にならず、第二次性徴期前の少年でなければいけないのかもしれません。一人1回きり。なので継続してどこかから幼児や少年を誘拐してくるのでしょう。女性監督らしい発想だと思います。ふだん威張りくさっている男どもへの反旗なのかも。
以上は私の推察に過ぎません。生まれてきた生物は不気味なエイリアンが深海生物みたいな感じ。でもどこか楳図かずお氏のホラー少女漫画のような感じがします。しかし日本特有のジメジメした暗さはありません。なにか新しいタイプのエロスのようなものを感じるのです。
島の女性たちが産卵期?を迎えると、それまで育ててきた少年たちは病院に入院。少年たちにしてみれば、友人たちも皆一緒なのでキャンプに行くような感じ。しかし隣のベッドにいた友人が不気味な生き物を宿している。それを見た時は大変な恐怖だったでしょう。