ゲゲゲの鬼太郎 (1985年)

初回放送・製作 1985年・フジテレビ 月曜ドラマランド
作品評価
お薦めポイント 何と言っても少年俳優が演じる鬼太郎
関連情報など DVD発売中。
(写真は、六浦誠君)


1985年の月曜ドラマランド(フジTV系列)で放送されたスペシャルドラマです。東映ビデオからDVD化されており、かなり前に購入しておりました。このレビューを書いている2日前(2015年10月)に、声優の熊倉一雄さんがお亡くなりになられました。この「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマソングを歌われていた方です。その追悼の意味もこめて、レビューさせて頂くことにしました。

小学生の少女から手紙を貰った鬼太郎は

アニメと同じテーマソングで始まります。小学生の少女が妖怪ポストに入れた手紙を、霊界の郵便配達夫(なんと原作者の水木しげる氏本人)が鬼太郎(六浦誠)の家へ配達します。小学生の京子ちゃんからの依頼でした。彼女のお父さんが妖怪に取り憑かれたようで変なのです。助けて下さい。

調べてみると、西洋からやってきた吸血鬼エリート(なんと安易なネーミング)が、日本の妖怪の親玉ぬらりひょんと組んで、妖怪だけの王国を作ろうとしていたのです。そこにあの、ねずみ男(竹中直人さん)も絡んでいるので、これまた困ったこと。

なんだかんだあるのですが、仲間の妖怪たち、砂かけ婆、子泣き爺、一反もめんと協力して、吸血鬼エリートとぬらりひょうんを倒し、京子ちゃんのお父さんも元の姿にもどってめでたし、めでたし。京子ちゃんは鬼太郎に淡い恋心を抱きますが、鬼太郎は去っていきます。(現代らしく地下鉄にのって去っていきます)

 なんてったって六浦誠くん

2007年に実写化された「ゲゲゲの鬼太郎」は原作から大きく離れて、鬼太郎は青年であるウエンツ瑛士さんが演じました。ウエンツさんは嫌いではないのですが、やはり鬼太郎ではありません。

本作品は正真正銘の少年俳優、しかも美少年である六浦誠くんが演じています。今、DVDを見直してみると、やはりセリフがぎこちない部分もありますが、後半では気にならなくなりました。

映画と違って、そんなに練習時間がなかったのかもしれません。でもアクションシーンは結構頑張っています。衣装は昭和初期のような半ズボン。六浦君は脚が細いこともあり、妖怪とのバトルシーンはいたいけな感じがして、ちょっとキュンとします。平敦盛と熊谷直実のような(判らない?古文を勉強しましょう)

 妖怪大戦争か、仮面ライダーか

妖怪を演じた俳優さんの中で出色の出来だったのが、ねずみ男を演じた竹中直人さん。あの嫌らしい雰囲気はねずみ男そのもの。2007年版で演じた大泉洋さんもいい。甲乙つけがたし、といったところでしょうか。

2007年版や最近のアニメでは、ヒロイン妖怪になっている猫娘は登場しません。当時の「ゲゲゲの鬼太郎」は、あくまで少年漫画でしたので、女の子キャラは重要ではなかったのでしょう。今は子供人口が大幅減少していますので、男子向け、女子向けなどとマーケティングしていると商売できないので、男女両方を取り込まないといけないのでしょうね。

アクションシーンや妖怪とのバトルは、どうみても仮面ライダーの世界です。山の中の工事現場でロケをして、やられた妖怪の最後は火薬で爆発。これは妖怪ではなくて怪人です。昔の大映の「妖怪大戦争」くらいの着ぐるみの方がよかったかも。

ただ良かった点は、ビデオではなく35mmフィルムで撮影されていること。1985年当時はまだビデオの方がコストが高かったのでしょうか。おかげでフィルムが残っており、もしかするとハイビジョンに変換したブルーレイにならないとも限りません。いつか、いい画質で見たいものです。

竹下景子さんではありませんよ。
(似てるけど)
ねずみ男に太もも攻撃をうける





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