東京のある小学校の5年生、ヒロシ(渡辺博貴)は、タケオ、サトル、ススム、ヤスコの5人で少年探偵団を結成した。さらに架空の敵として「怪人魔天郎」をパソコン(当時普及し始めたNECのPC8801でした)で作った。
ところが、自分達で作った架空の存在であるはずの魔天郎が、実際に現れて事件を起こし始める。5人は魔天郎と対決すべく活動を開始した。全50のエピソードです。
初回放送・製作 | 1987年・フジテレビ 連続ドラマ全50話 |
作品評価 | B+ |
お薦めポイント | 正統派の少年探偵団もの。コメディ要素も |
関連情報など | 映像関連は発売なし (写真は、リーダー役の渡辺博貴君) |
放送は1987年の1月から12月。もう30年も前の作品です(書いているのは2017年)。最初の放送は知りませんでしたが、10年ほど前に衛星放送スカパーで放送されており、ほぼ録画しました。でもスカパーで放送される作品は、権利問題もないのでDVD化されるだろうと判断して、テープは保管していません。(結局10年経ってもDVD化されず、失敗です)
東映の特撮作品の流れの中にあるものですが、少年探偵団というレトロなテーマに、現代風(といっても30年前)のアイテムと、コメディ要素をふんだんに織り交ぜ、結構人気のある番組だったと思います。中でもリーダーの渡辺博貴君がイケメンで、女の子に大人気だったようです。
東京のある小学校の5年生、ヒロシ(渡辺博貴)は、タケオ、サトル、ススム、ヤスコの5人で少年探偵団を結成した。さらに架空の敵として「怪人魔天郎」をパソコン(当時普及し始めたNECのPC8801でした)で作った。
ところが、自分達で作った架空の存在であるはずの魔天郎が、実際に現れて事件を起こし始める。5人は魔天郎と対決すべく活動を開始した。全50のエピソードです。
番組は子供向けではありますが、昔ながらの少年探偵団の王道をいくもので、なかなか良く出来た脚本だと思います。探偵団のメンバーは男子4人、女子1人の5名。毎回その1人が主役で話が進みます。これは5人全員公平に回ります。
即ちメンバー全員が1/5の比重であること。これが素晴らしい。ただ、リーダーのヒロシはやや比重が大きいかもしれませんが。
10年程前にNHKで「夕陽ヶ丘の探偵団」という、ほぼ同じ趣旨のドラマがありましたが、これは男子5人、女子1人の6名。でも唯一人の女子の比重が1/2、男子は5人で1/2(即ち男子1人は、1/10の扱い)という残念なものでした。これを男女平等というなら仕方ありません。
それでも、この時代の少年達は逞しいですね。もちろん役の上でのことですけれど。時には喧嘩、やっかみ、抜け駆けもあるけれど、最後はみんなで協力して事件を解決。今の子供たちには、ちょっと白々しいかもしれません。
覇悪怒組を見ていて、もう一つ楽しめたのは東京郊外の街並みです。決して有名な場所が出てくるのではありません。練馬区や中野区のふつうの住宅街。これが、生活感があっていいのです。
左は、中野区江古田にある給水塔ではと思います。このタイプの給水塔は他にもありますので、特定はできませんが、この辺りだろうと思うのですが。右は、中野区と新宿区の複雑な境界にある西落合公園です。
赤いジャンパーを着た渡辺君がいる橋は、妙正寺川にかかる人道橋。渡辺君の隣にいるのが、探偵団メンバーの中島義美君。最近知ったのですが、あの名作「まんが日本昔ばなし」のエンディング曲「にんげんっていいな」を唄っていたそうです。声の質から、これはハスキー系の女の子だとばかり思っていました。
ところで、この橋のロケ地。ふと思い出しました。これは、あの名作映画「誰も知らない」の場所ではありませんか。映画撮影は2003年頃。番組は1987年。映画の13年前の姿に間違いありません。1987年と2003年でそんなに変っていないようです。石段の左側が草の斜面になっているのが、古さを感じさせるくらい。
2004年頃、私は東京圏に住んでいましたので、映画「誰も知らない」を見て衝撃を受け、そのロケ地周辺を頻繁に歩きました。もともと街歩きが大の趣味ですので、映画の前から、この近くの哲学堂公園は大好きな散歩スポットの一つでした。その後、2010年頃には付近の改良工事で周辺は一変。
この辺りに再開発の波が訪れ、あの石段自体はそのままですが、周辺は住宅が建設され、人道橋も撤去されてしまいました。今は階段のないバリアフリー?タイプの新しい人道橋が出来ているようです。こんな風景も、付近の住民からも時間が経てば忘れ去られてしまうのですが、映画やテレビ番組には永遠に記録されているわけで、これも映画の貴重な使命だと思います。