ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝 魔笛エロイムエッサイム (1987年)

初回放送・製作 1987年・東映 ビデオ作品
作品評価
お薦めポイント 鬼太郎と悪魔君の共演
関連情報など DVD発売中。
(写真は、鬼太郎役の和田求由君)


1985年の実写版に引き続き、2年後にまた東映で製作されましたが、テレビ放映もされず、劇場公開もされず、ビデオ映画という中途半端な形で世に出されました。ただ、1985年版、この1987年版ともに、2007年にDVDとして発売されましたので、貴重な映像を見ることが出来ます。東映さん有難うございます。 (本来はテレビ放送用であったと思いますので、ここで紹介しています)

鬼太郎役は和田求由くん。前作の六浦誠くん同様、熱演でした。

本作のオープニングは何と「悪魔くん」のエロイム、エッサイム。これは懐かしい、一度聴いたら夢にまで出てきそうな曲です。その悪魔くんこと山田真吾(加瀬悦孝)が、今回の依頼者。真吾のクラスの担任の先生が、桜の精である桜子(さくらこ。スナックのママではありませんよ)に、精気を吸い取られて行方不明に。どこかの廃墟が妖怪たちの巣窟らしいが、探して欲しい。

鬼太郎(和田求由)は、桜子や妖怪たちを探しに出かけるが、例によってネズミ男の裏切りで窮地に陥る。鬼太郎を妖怪温泉に誘い出し、武器であるチャンチャンコと下駄を盗んでしまった。

妖怪の黒幕は「ぬらりひょん」で、桜子たちも騙されていた。しかし鬼太郎は捕まり、花火の中に入れて空へ打上げられてバラバラになってしまった。そこへ真吾もやってきて、メフィストを呼び出すが。

メフィストと悪魔君
 悪魔くんとメフィスト、もっと活躍して欲しかった

水木しげる作品は何と言っても「鬼太郎」ですが、私は子供の頃「悪魔くん」の方が好きでした。とはいえ子供の頃は怖くて殆ど覚えていないのですが、大人になってレンタルビデオで全作品を見ました。故・金子光伸さん演じる悪魔くんは、本当にはまり役でした。(その後、彼はジャイアント・ロボにも主演。しかしお若くして夭逝されたとの事で、残念です)

あくまで「鬼太郎」ですので、悪魔くんのキャラが活躍する訳にはいかないのは判りますが、メフィストの魔法も見せて欲しかったですね。悪魔くんを演じた加瀬悦孝さんは、当時活躍されていた子役さんですが、本作品では、あまり存在感がありませんでした。まあ仕方ないですね。

 和田求由君は大熱演でした

1985年版で鬼太郎を演じた六浦誠さんが、ルックスも含めて一番かなと思っていたのですが、和田求由君の鬼太郎も負けず劣らずでした。彼も映画やテレビで活躍していた実力派子役ですものね。

ネズミ男に騙されて妖怪温泉につかっていると、湯の中から河童に襲われ、裸のまま(もちろん前は隠しながら)走らされるなどと、かなり恥ずかしかったと思います。子役ながら、いつも苦虫を噛み殺したような渋い表情が、鬼太郎にマッチしているかもしれません。

鬼太郎と悪魔君のツーショット
鬼太郎が温泉につかっていると
水中から河童が(サービスショット)

 2005年の「妖怪大戦争」への伏線

さて本作品ですが、神木隆之介さんの「妖怪大戦争」とほぼ同じようなプロットなのです。工場のような廃墟の中で、敵対する妖怪を、溶鉱炉のような穴に投げ込んで消滅させてしまうシーンは、そのまま妖怪大戦争でした。

東映作品で、妖怪ものですので、似たようなプロットになってしまうのは仕方がないでしょうけれど。でもやはり少年俳優が活躍するのが本筋ですよ。ウエンツ瑛士さんや、田中麗奈さん(超ミニ衣装で、お色気の猫娘役)は、何か違う気がするのです。勿論これもありですけれど。





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