少年(神木隆之介)の両親は二人とも医師で、全くかまって貰えない。ある日、貯金箱を持って家出したが、行くところがなく公園のベンチへ。そこへ病院から抜け出して来た老人(杉浦直樹)がやってきた。老人としては、家出少年なんかに関わりたくなかったが、いろいろ(説明手抜き)あって、少年と一緒に行動することになった。
行くあてのないロードムービー。いや老人には行く所があったのでした。仕方なく少年を連れて電車に乗ってそこへ出かけます。都心から何本も電車や列車を乗り継いで、降り立ったのは、ローカル線の無人駅。(神木君は鉄道オタクだったようですから喜んでいたかも)
その駅からバス、さらに歩きます。途中で音を上げた神木君を、老人は「それじゃ、ここでお別れだ」と放置しますが、やはりそんな事は出来ません。ここで野宿。一晩をまるで親子(いや恋人かも)のように過ごし、二人は目的地に到着した。
そこはダムの湖底に沈んだ村。老人が生まれ育ち、そして村人を裏切ってダム工事を進め、沈めてしまった村。じっとたたずむ老人。少年はそれを見守ることしか出来なかった。やがて警察の車が到着し、老人は誘拐犯として捕まった。これは老人が昨晩のうちに電話していたのだった。誘拐の嫌疑は解け、老人は病院へ戻ったが、やがて亡くなった。少年に遺書を残して。