沈まない骨 (2003年)

初回放送・製作 2003年・日本テレビ
作品評価
お薦めポイント 老人と幼い少年のロードムービー
関連情報など DVD発売中。
(写真は神木隆之介君)


2003年に放送されたテレビドラマ。日本テレビシナリオ登龍門2002年の優秀賞受賞作という事で、日本テレビ系列で放送されたのだと思いますが、当時は全く知りませんでした。

神木隆之介君のフィルモグラフィーを作成するため、検索していて見つけた作品で、DVDが発売されています。シナリオ関係で優秀賞なので期待したのですが、脚本はすぐに先が読めてしまい、そんなに大したことはありません。神木隆之介君の可愛さを堪能するだけで十分ですけれど。


少年(神木隆之介)の両親は二人とも医師で、全くかまって貰えない。ある日、貯金箱を持って家出したが、行くところがなく公園のベンチへ。そこへ病院から抜け出して来た老人(杉浦直樹)がやってきた。老人としては、家出少年なんかに関わりたくなかったが、いろいろ(説明手抜き)あって、少年と一緒に行動することになった。

行くあてのないロードムービー。いや老人には行く所があったのでした。仕方なく少年を連れて電車に乗ってそこへ出かけます。都心から何本も電車や列車を乗り継いで、降り立ったのは、ローカル線の無人駅。(神木君は鉄道オタクだったようですから喜んでいたかも)

その駅からバス、さらに歩きます。途中で音を上げた神木君を、老人は「それじゃ、ここでお別れだ」と放置しますが、やはりそんな事は出来ません。ここで野宿。一晩をまるで親子(いや恋人かも)のように過ごし、二人は目的地に到着した。

そこはダムの湖底に沈んだ村。老人が生まれ育ち、そして村人を裏切ってダム工事を進め、沈めてしまった村。じっとたたずむ老人。少年はそれを見守ることしか出来なかった。やがて警察の車が到着し、老人は誘拐犯として捕まった。これは老人が昨晩のうちに電話していたのだった。誘拐の嫌疑は解け、老人は病院へ戻ったが、やがて亡くなった。少年に遺書を残して。

 やっぱりロードムービーはいいなあ

先が読めてしまうようなワンパターンであっても、少年には旅、即ちロードムービーが似合います。一人で、少年同志で、ガールフレンドと、お父さんと、逃亡犯と。過去に様々な映画がありました。

今回は老人と少年の旅。この少年と老人という組合せが意外なようで、なかなか相性がいいのです。ヘミングウェイの「老人と海」なんて小説や、「少年老い易く学成り難し」なんてことわざもありますし。(どういう脈絡か、自分でも説明しにくいのですけれど)

本作品の神木隆之介君は9歳くらいでしょうか、既に「天才子役」と言われていたようですが、まだまだ一人でドラマを引っ張るような役者ではありません。ここは杉浦直樹さんの存在感が際立ちます。

あまりネタバレはしたくないのですが(と言いながら、殆どストーリー書いてしまってますけれど)、タイトルの「沈まない骨」には意味があります。冒頭シーンには、大人になった少年が、亡くなった老人のあるモノを持ち去ります。それは何かは、DVDを見て下さいね。

いったいどこへ。老人と少年は。
着いた場所。そこには村が沈んだ湖が


さて、いかがでしたでしょうか。最初に書きましたように、それほど大したドラマ作品でもありませんが、神木君のロードムービーという事で、是非ご覧になって下さい。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼「テレビ番組」に戻る