孤児院を脱走してきたレオ(本郷奏多)と虎之助(秦透哉)は、スリや詐欺を行いながら、妹を探している。妹だけ孤児院から金持ちの家へ貰われていったのだ。しかしスリに失敗して捕まり、SMAP草彅さんの喫茶店で働くことに。
やがて妹のいる屋敷が判った。二人は屋敷に忍び込んで妹を連れ帰ろうとするが、同じ時に泥棒2人組(SMAP)も入ってくるなどドタバタの末に、妹の部屋にたどり着くが、幸せそうに眠っている妹をみて、二人は、そっと別れをつげて、帰っていく。
X'smap 虎とライオンと五人の男 （2004年）
| 初回放送・製作 | 2004年・フジテレビ 特別ドラマ |
| 作品評価 | B+ |
| お薦めポイント | まるでディケンズの世界。高レベルのドラマ |
| 関連情報など | DVD発売中。 （写真は本郷奏多君） |
今回は、フジテレビで2004年のクリスマスに放送された特別ドラマです。このレビューを書いているのは2014年7月、つまり真夏です。このクソ暑い時に、季節外れのクリスマスの話題もなかなかいいじゃありませんか。
タイトル通り、ジャニーズ事務所の人気グループSMAPメンバー5人がメインのドラマ。おまけにフジテレビ制作とあれば、普段なら私は敬遠するところでしたが、本作品は、なかなかよく出来上がっています。最近のシネコンのスカ映画なんかより、ずっといいかもしれません。
妹に小さな声でバイバイ（秦透哉君）
監督は「告白」や「渇き。」の中島哲也さん、SMAPの他に、阿部寛さん、阿部サダヲさん、唐沢寿明さんなど、主役級の俳優さんがゾロゾロ。ちょっと考えられないくらい贅沢なキャスト。
しかし彼ら大物俳優を押しのけて、堂々の主役を演じたのは、本郷奏多君と秦透哉君の二人の少年俳優。これは痛快なことですね。今でもDVDが販売されていますので、是非ともご覧になって下さい。
舞台は日本なのですが、ディケンズ時代のロンドンの雰囲気。「オリバー」と「メリーポピンズ」を足して2で割ったようなミュージカル仕立て。特撮は安っぽいのですが、これをたった1回しか放映しないテレビ番組と考えれば、すごいことだと思います。
ちょっとネタバレ。実は、レオ、虎之助、妹は、血のつながった兄弟ではなく、孤児院で兄弟同様に育っただけ。養女に貰われて幸せそうな妹をみると、孤児院へ戻すなんてできません。なんとなく切ないじゃないですか。（現実問題として、養子の希望は女の子が圧倒的に多いそうですし）
他にも少年俳優は多く出演しています。デパート社長の大富豪（SMAP稲垣さん）の息子役など。あっと、SMAPのもう一人中居さんは、お巡りさん役でした。（一応、SMAPのドラマですから、書いとかないとね。）
本郷奏多君。少年俳優として一番旬な時期
孤児院で育った3兄弟には血の繋がりなしとにかく本郷奏多君。中学生ですが、少年俳優として一番輝いていた時かもしれません。これが映画作品だったらと思うのですが返す返すも残念です。でもDVDは貴重ですよ。
※後記
2016年にSMAPは解散してしまいました。でも、このドラマはずっと残っていくのですね。本当にいい作品だったと思います。