写楽ホーム凸凹探偵団 (2018年)

初回放送・製作 2018年3月18日・TV朝日系列「日曜ワイド」
作品評価
お薦めポイント 二宮慶多君らの3人組とじいちゃん2人組の絡み
関連情報など TV朝日制作の2時間ドラマ。DVD等未発売
(写真は子供主役の二宮慶多君)


ズッコケ三人組シリーズなどで有名な那須正幹氏の児童文学が原作。「写楽ホーム凸凹探偵団」もシリーズものですが、今回は原作第1話の「消えた赤ちゃん救出大作戦!」を実写ドラマ化。

原作は子供たち3人組がメインなのですが、TV版は草刈正雄さん、笹野高史さんという2人の爺さんが主役。笹野さんはともかく、草刈さんを爺さんと呼ぶのはまだまだ違和感。でも軽妙で面白いドラマに仕上がっています。決して感動なんかはしませんけれど。

何といっても二宮慶多君の成長ぶり。是枝監督の映画「そして父になる」では黒目がちの無垢で大きな瞳が印象的でした。その後、少年俳優として出演作は多数あるものの出番は微妙でした。それが本ドラマでは準主役なのも嬉しいところ。

小学生3人組。左から正太、勇、千佳。

小6の勇(二宮慶多)は産婦人科医院の息子。小学校の課外授業で「写楽ホーム」という老人施設を慰問に訪れた。勇と正太(本村颯虎)、千佳(根岸姫奈)の3人がサボって屋上に行くと、軍平(草刈正雄)と乙松(笹野高史)の2人の老人が花札をしていた。ひょんな事から勇も参加し大勝。そこへ職員がきてカケていたのがバレた.その日は散会。

翌日、勇の産科医院に軍平たちがやってきた。昨日のカケの品を持って。その時事件が発生。病室から赤ちゃんが行方不明。みんなは騒いでいるばかり。そこへ急に軍平が仕切りだしてテキパキと指示を。軍平は現役時代、有名な敏腕警部だったのだ。それを見た勇と正太は軍平の後を追って事件の推理や解決に加わっていく。

警察の捜査とは別に勇、正太、千佳の子供3人と軍平、乙松の老人2人が捜査を始めた。勇の父の病院以外に2つの病院で赤ちゃんが行方不明になっており、3人とも4月29日生まれ。そして3つの病院に共通する人物から、ある大物占い師が浮かび上がってきた...果たして犯人は。赤ちゃんは無事?(続きはドラマか原作を見て下さいね)

 小品だが楽しいドラマ(結末シーンを除いて)
二宮君。子供らしい
プロポーション

ズッコケ三人組シリーズと異なり、原作は2001年以降に書かれたもの。ですので時代背景を反映したのか、3人組には女の子がいたり、少子高齢化社会の象徴のように老人ホームと産婦人科医が舞台。それでも那須正幹氏のストーリーテリングはさすがです。

とにかく草刈正雄さんと笹野高史さんのコンビがいい。2人とも老人特有の押し付けがましさがないのが好感度大。カッコいい草刈さんと、元大泥棒という設定で関西弁の笹野さん。本当に凸凹コンビ。(もちろんドラマ上の役柄の話であって、お二人の私生活ではその辺のキレるジジイと一緒なのかどうかは判りません)

子供側の主役の二宮慶多君。美少年の部類なんでしょうが、ちょっと変わった雰囲気。黒目の多い大きな瞳。何を考えているのか判らない(天才なのか無垢なのか)。ただこれから中高生になって俳優を続けられるかどうかは難しいところ。頑張って欲しいけれど。

さてネタバレになりますが、赤ちゃん泥棒の犯人はカルト団体。亡き教祖様が4月29日生まれの赤ん坊として生まれ変わるとの遺言で。これは多分「イエスの方舟事件」とか「千石イエス」とか言って世間を騒がせた事件が基になっているんでしょう。(事件についてはネットで検索して下さいね)

ドラマでは犯人が判ってからのシーケンスがお粗末。というか見てられません。特に女の子の千佳が空手を習っているとの設定で、犯人(高齢者を含む女性ばかり)に突きや蹴りなど暴力をふるいます。私の価値基準ではこれは最低。スカートをはいた12歳の美少女の蹴りシーンをサービスしたかっただけ?

とはいえ、是非とも続編を作って欲しいドラマではあります。もう二宮君は成長して無理かもしれませんが、草刈さんと笹野さんのコンビはもっと見たい。子供は毎回別の3人組でも。

慰問先のホーム屋上で花札をする勇(左端)
(勇の足元にはカケでせしめた缶詰の山...)
勇の父の病院から赤ちゃんがいなくなった。
(3人組は、老人2人と独自の捜査を開始)

スマホで証拠の声を録音した。
(この印籠が目に入らぬか!)
ラスボスの家へ侵入。乙松が裏口の鍵を開けて
(こんな5人がゾロゾロ侵入したらすぐバレますやん)

事件解決後。軍平を見上げる勇
(こんな目で見上げられたら...)
ほっぺをグリグリされる勇
(当然、こうなってしまいますがな...)





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