マリオ AIのゆくえ (2018年)

初回放送・製作 2018年10月13日・NHK-BSプレミアム
作品評価 A-
お薦めポイント 元警察官の身体を持ったAIと高校生の少年との交流
関連情報など スペシャルドラマ。未メディア化
(写真は高校生役の福崎那由他君)


近年話題の多いAI(人工知能)。将来は人間を支配するとか...ちょっと前まではAIではなくてロボットがキーワードでしたけれど。そんなAIをテーマにしたドラマがNHKで放送。

高校生役で福崎那由他君が出演する事は判ってはいましたが、どうせチョイ役だろうとタカをくくっていました。ところが大間違い。福崎君としてはミュージカル黒執事のシエル役にも劣らない堂々の準主役。

主役のAIマリオを演じた西島秀俊さんも好演。1回の単発ドラマでなくて13回くらいの連続ドラマでも面白かったと思うのに。(イケメンとはいえ)オッさんと男子高校生のペアというのも非常に新鮮。まあ連続ドラマにするなら男子高校生ではなくヒロインを起用するでしょうけれど。

AIであるマリオと浅草を散歩。買ってきたクレープを差し出す男子高校生
(福崎那由他君の笑顔がいい。オッさんと高校生。JKならぬDKお散歩ですなあ...)

科学者の時枝は警察の資金援助を受けて新しいAI(人工知能)を開発しマリオと名付けた。時枝は独断でマリオを事故で重体となった警察官(西島秀俊)の脳に移植。そして「人間らしく生きてみろ」とマリオを放逐した。それを知った警察幹部は激怒。あらゆる手段を使ってマリオの回収に動き出した。

マリオが最初に向かったのは時枝の元妻の家。そこで息子の至(福崎那由他)が飛び降り自殺を図る現場に遭遇。高校での熾烈な苛めと家族関係の悩みが原因だ。マリオは尋ねる「死にたくないのに人間はなぜ死ぬのですか」 気勢を削がれた少年はとりあえず自殺を延期。

マリオは人間の行動を理解するため少年と行動を共にする。最初は嫌がった少年だが、次第にマリオに惹かれていく。まるで友達、いや恋人のように。やがて警察の手がマリオに及び、少年も巻き込まれる。警察は時枝の息子である少年をオトリにしてマリオをおびき寄せ、抹殺を図るが...

 最初はロボコップ。最後はベイマックス

瀕死になった警察官が肉体を改造されてサイボーグになるのが米映画「ロボコップ」。本ドラマは肉体は人間のままで頭脳がAI。それでも人間のようにミスしたり私欲に溺れたりしないスーパー警察官の話かと思っていましたが、警察官としての活躍はなし。

人間とは何か。三つの煩悩とか七つの大罪とか宗教観?に悩む変なAI人間。それが自殺未遂の高校生の少年と妙に気が合って...最後はお互いの命を賭けてでも相手を助けようとまで。ネタバレですが、肉体としてのマリオは死んでしまいます。嘆き悲しむ少年。

そこへ現れたのはコンピューター上で蘇ったマリオ。少年との再開を果たします。これは「ベイマックス」のパクリかなあ。とにかく西島さんがベイマックスで、福崎君がヒロに思えてくるのが不思議です。

さて福崎那由他君ですが、すっかり成長しました。もう少年は卒業でしょう。でも子役から見てきたのでどうしても親目線になってしまい、可愛く思えてくるのです。このドラマで初めて彼を見た方ではきっと感じない何かが。(下世話な事ですが歯並びが課題。特に下の歯。今からでも矯正を。芸能人は歯が命ですよ...)

自殺しようとした時、マリオがやってきた
(自宅マンションの屋上ベランダ。リッチですなあ...)
クラスの不良グループにカツあげされる
(一緒にいたマリオに連中を叩きのめして欲しかったが)


少年の家に警察がやってきた!
(警察のくせに少年を人質にしてマリオに迫るとは)
何とか脱出した2人。あてもなく浅草を散歩
(少年はAIであるマリオにますます惹かれていく)


「ちょっとここに入ってみませんか」とマリオ
(2人はちゃんと女性好き。ドラマとしてはそうでないと)
行為が終わってグータッチ。この後、2人は一旦別れる
(少年はマリオとずっと居たいと主張したが...)


翌日、高校に警察がやってきて連行される。
(マリオは少年を巻き込みたくないので別れたのに)
車には別れた父がいた。父がマリオの開発者だ
(自分はマリオをおびき寄せるオトリと気づく)


廃工場で警察に囲まれるマリオに少年が駆け寄る
「マリオ早く逃げて」 「何を言ってるんだ」
マリオは死んだ。泣き叫ぶ少年。福崎君の渾身の演技
(普通ならこの役は女子高生でしょうけれど...)





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