がっぱ先生! (2016年)
初回放送・製作 |
2016年9月23日・日本TV系列 |
作品評価 |
B- |
お薦めポイント |
勝利を目指すのか。それとも全員参加か。 |
関連情報など |
洋画枠の2時間ドラマ。DVD発売済。 (写真は田中奏生君) |
「がっぱ」といえば思い出すのは大巨獣ガッパ。東宝のゴジラ。大映のガメラ。それに対抗して日活はガッパでしたが、もう一つパッとしませんでした。ちなみに東映には怪獣路線なし。
それはさておき、がっぱ先生とは北陸出身の新米女性教師に生徒たちがつけたあだ名。「二十四の瞳」に代表されるように女性教師モノは日本映画やドラマの定番。もちろん男性教師モノも沢山あります。
まだ色に染まっていない純粋な小学生を指導して立派な人間にする。やりがいのある仕事のはずでした。
しかし今や教師志望者激減とか。激務、モンスターペアレンツ、そして教師同志のイジメまで...
クラス対抗大縄跳の練習。失敗を繰り返すカツオにみんなの非難が...
小学校に新任の杉本先生(二階堂ふみ)が赴任してきた。挨拶でうっかり北陸弁のがっぱが出てしまい、生徒たちから「がっぱ先生」と呼ばれる事に。それでも張り切って授業に取り組む。運動会でクラス対抗の大縄跳をやる事になり、勝利を目指して生徒たちは練習に励む。
しかし生徒のカツオ(田中奏生)が足を引っ張ってしまう。カツオは交通事故の後遺症で足が不自由。クラスの不満が募る。性格は明るいカツオだったが自分で応援係を志願。カツオ抜きで大縄跳の勝利を目指す事になった。
これは生徒達が決めた事でカツオも納得しているが、杉本先生は本当にそれでいいの?とクラスに問いかける。そして再び大討論の末にクラスが出した結論は....カツオも参加する。
小学生の間はプロセス重視でいいのでは...
社会人になって企業などへ就職すると成果主義の波が押し寄せてきます。建前上はプロセスも評価するなんて言ってますがアテになりません。仕事に失敗しました。でもよく頑張ったので褒めて下さい、なんて言ってたら会社が潰れます。
でも義務教育、特に小学生の間は、勝利や成功にこだわるのではなく、どうやってそれを達成していくかのプロセスを学んで欲しい。そのためには排除の理論ではなく、全員が置かれた環境、与えられた環境の中で最善を尽くす事を学んで欲しい。
中学や高校。小学生でも学校以外のクラブでは勝つためには弱者を排除する事は当たり前。お前は3年生だから下手だけどレギュラーで出してやるという温情監督もいます。でも全員が納得するでしょうか。
極言すれば、農業や水産業。1本1匹でも病気の苗や稚魚がいれば排除するのは当然。教育現場も同じでしょうか。確かにとんでもない非行少年1人のためにクラスが悪化する。あいつさえ排除すれば...というような話も聞きます。これは私には是非が判断できません。
おっとすみません。今回は作品レビューがすっ飛んでしまいました。カツオ役の田中奏生君の演技力は大したもの。ちょっとポッチャリしてきましたけれど。
カツオは明るい少年だったが..
(無理に明るく振る舞ってるのか)
カツオを責める生徒たち
(イケメン子役もいます。氏名失念)
交通事故の後遺症で足が..
(実は足は何ともない。精神的なもの)
カツオの処遇についてクラス討論
(現時点では、カツオ抜きが10票)
カツオは俯くばかり..
(本当の気持ちはどうなんだ?)
ついに泣いてしまった...
(クラスのみんなの気持ちは...)
※後記
冒頭で書いた映画「大巨獣ガッパ」。幼い頃に見たと思うのですがよく覚えていません。それでDVDを検索したら、中古しかなくて、それも結構高い。無理してまで見る必要はないかと思ってあきらめました。