おじいちゃんの茶碗 (2021年)

初回放送・製作 2021年12月14日・NHK
作品評価 B+
お薦めポイント おじいちゃんと少年の短い旅
関連情報など ABUアジアこどもドラマ。未メディア化
(写真は岩田琉聖君。)


2021年度のABUアジアこどもドラマシリーズの1作品として放送された15分の短編ドラマ。事前に番宣なども殆どなく、ひっそりと放送され、そのまま忘れさられた感じもします。内容はありきたりの話かもしれませんが、亡くなったお爺ちゃんを慕う少年の表情が印象に残ります。

お爺ちゃんの願いである「サンバ」を探しに、お爺ちゃんの茶碗と一緒に出かけた。
(茶碗に顔が浮き出て、お爺ちゃんの声で話をする。ちょっとホラーかも)

小学校の雄大(岩田琉聖)の祖父が亡くなった。お葬式も終り、両親が遺品を整理している。祖父が使っていた茶碗。このまま置いておくとあの世に行けず戻ってくるとの事で、割って埋めようとしていた。雄大は思わず茶碗を隠した。すると茶碗に顔が浮かび上がり、祖父の声が聞こえてきた!

祖父は願いを叶えて欲しいと言った。それはサンバを見たい。雄大と祖父は町を歩いて探すが、サンバなんてやってない。とある教会で休憩しているとサンバを踊る人たちがいた。祖父は笑って雄大とお別れ。気づくと茶碗が割れていた...


故人の茶碗や食器を置いとておくと成仏できない、そんな話はあまり聞いた事はありませんでした。ネットで検索すると、地方によってはお葬式の前に全部割ってしまうところもあるようです。「さっさと出ていけ」と言ってるようで寂しい気がしないでもありません。

本作の雄大少年も同じ気持ちだったのでしょう。優しいお爺ちゃんだったに違いありません。でも幽霊となってずっと居着いて貰うのも大変でしょう。死後の世界観はそれぞれ違うと思います。そんなもの無いという人もおられるでしょうし、新たな世界へ旅立たれると思う人にとっては、それを引き留めてはいけない事になります。

しかし最後の願いがサンバを見たいとは。少しズッコケました。お爺ちゃん、いい人なんでしょうけれど、そのお年になって露出の多い女性の肌を見たいの?なんて思ってしまいました。なにか意図があるのかもしれませんけれど。

主役を演じた岩田琉聖君。少し気弱で優しそうな少年をしっかり演じました。確かにお爺ちゃんとしては、こんな孫を残して先に旅立つのは心残りかもしれません。せめて成人するまでは見届けたかったかも。(いやいや、このくらいの純砂な子供のうちが花で、中高生になるとクソジジィ!などと暴言を..)


お爺ちゃんの茶碗を割ると聞いて、茶碗を隠した。
少年にとっては優しいお爺ちゃんだったし...
茶碗から、いきなり声が出た。お爺ちゃんの声だ。
茶碗の表面には顔も浮き出ているし...


サンバが見たい。お爺ちゃんの願いだった。
茶碗と一緒に探しに出かけたが...
途中から茶碗は、お爺ちゃんに姿を変えた。
でも、お別れの時間が近い事がなんとなく判る...


その時、少年は窓の外に誰かが現れるのを見た。
賑やかで情熱的な音楽に一緒に現れたのは...
サンバチームだった。お爺ちゃんは大喜び。
これで思い残す事なく旅立ちが出来そうだ。




※後記
サンバといえば日本でも各地のお祭りでパレードもあります。神戸や浅草などが有名ですが、私が20数年前に仕事で滞在していた群馬県大泉町を思い出します。日系ブラジル人の方が多いので本格的でした。残念ながら今は無いそうですけれど。





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