ウルトラマンレオ (1974-75年)

初回放送・製作 1974年4月12日・TBS系列
作品評価 B+
お薦めポイント 天涯孤独となった少年の成長物語という視点。
関連情報など BD/DVD発売中。
写真は、準主役の新井つねひろ君。


昭和ウルトラマンシリーズの6作目。私は本放送はもちろん再放送も全く見た事はありませんでした。
ウルトラマン、ウルトラセブンまでは、小学校低・中学年でしたので、もう本当に真剣に見ていました。見ていないと学校で除け者にされるくらい。(最初のウルトラQは再放送でみました。)

帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエースはもう卒業。でも弟がいましたので時々は見ていました。
ウルトラマンタロウは大人になってから再放送でみて、斎藤信也君の熱演が印象に残っています。
そして本作ウルトラマンレオ以降は全くの空白地帯でした。

ところがこれらのシリーズの海外版BD-BOXがあり、高画質ハイビジョンで6枚のブルーレイに51話。それでなんと4000円ほど。まずは見た事がない本作ウルトラマンレオを購入。素晴らしい画質に大満足。それ以上に、少年俳優の新井つねひろ君の熱演に驚きました。

カオルとトオルの兄妹。母も父も亡くなった。たった二人だけ。(終盤では妹のカオルまで...)

レオは、オオトリ(真夏竜)という宇宙防衛組織MAC隊員として地球にいた。父を亡くした少年トオル(新井つねひろ)と妹のカオルは、オオトリの恋人百子に引取られた。トオルはオオトリを兄のように慕い、宇宙人や怪獣との戦いに巻き込まれる事も多々。しかしオオトリがウルトラマンレオである事は知らない。

凶悪な宇宙人の攻撃でMACは解散。百子と妹のカオルも亡くなって天涯孤独の少年になった。トオルは世話をしてくれた看護師(当時は看護婦)の家庭で暮す事になった。オオトリも一緒だ。レオは宇宙人を撃退。やがてトオルたちとの別れの時がやってきた。


ウルトラシリーズについてはWikipediaを参照して下さい。いやぁこれでもか、これでもかと詳しい解説があります。ウルトラマンだけでなく特撮番組のWikipediaを書かれた方々は本当にマニアック。必殺技とか攻撃手段の一つ一つまで書かれています。ご苦労様です。

ファンの方々も、ウルトラマンレオ、MAC組織、怪獣、宇宙人、女の子は熱っぽく語っておられるようですが、準主役である少年についてはあまり関心が無いようです。どのシリーズにも、そういう役柄の少年が設定されているのは、視聴者である少年層が感情移入しやすいようにと考えたのでしょう。

本作のトオル少年を演じた新井つねひろ君。前作ウルトラマンタロウの斎藤信也君に勝るとも劣らない熱演でした。実兄は個性派俳優の新井康弘さんとの事。新井つねひろさんは早くに俳優を引退したそうですが、このウルトラマンレオでの熱演は後世にまで残るのではと思っています。大袈裟ですけれど。

真夏竜さん演じるレオ(オオトリさん)が置手紙をして姿を消した時。必死の形相で駅や雑踏を探し回るトオル少年。オオトリさーん、オオトリさーん。涙声で叫ぶ姿が本作の中で一番のシーンでした。

終盤では当時の大人気だった子役の杉田かおるさんもレギュラーで出演しています。しかしトオル少年の前では、いくら人気の杉田かおるさんでも脇役にすぎない扱いでした。これが数年後の金八先生シリーズで再共演した時はどうだったのでしょうか。さすがに特撮フィールドでは少年俳優は強い...


父を殺した宇宙人を倒したい。
当然ながら止められた。
両親が亡くなった。
気力もなくなったトオル。
MACの、オオトリさんを慕う。
レオだとはまだ知らない。


少し凛々しくなったトオル。
オオトリさんのおかげだ。
でも一人で悩むことも。
まだほんの少年だ。
オオトリさんが姿を消した。
駅の雑踏で泣きながら探す。


オオトリさんに寄り添う。
兄、父、そして恋人?
トオルの帽子がオシャレ。
ロンドンかパリの少年みたい。
最終51話。レオとの別れが...
左は杉田かおるさん。


ゲストの子役さん1
(特撮番組の常連さん)
ゲストの子役さん2
(特撮番組の超常連さん)
ゲストの子役さん3
(イケメン君ですねぇ)

他にも初代はっちゃくの吉田友紀君、レッドビッキーズの増田康好君など。当時の子役総出演という様相でした。ゲストの子役さんには固定した役はなく、毎回違う名前で登場します。同じ番組で複数回登場することも。



※後記
さて海外版のBD-BOXですが、本作を皮切りにタロウ、エース、帰ってきたの3作も買ってしまいました。円安が急激に進行していますので、興味を持たれた方はAmazonででもお早めにどうぞ(Amazonの回し者みたい?)

これらのBD-BOXや東映chの特撮番組をみていて思うこと。特撮シリーズで準主役を演じる少年には共通した特徴。演技力が優れている(当然)。声やセリフも素晴らしい。そして顔や体型は小太りで脚が太いタイプが多いような。大人で言えば寅さんの渥美清さん風。力強い演技をするためにはどうしても体力がいるからかもしれません。





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