東京プロトコル(ネオ・ウルトラQ 第9話) (2013年)

初回放送・製作 2013年3月9日・WOWOW
作品評価
お薦めポイント CO2を吸引してくれる怪物は正か邪か?
関連情報など BD/DV発売中。海外版BD-BOXが一推しですよ!
写真は少年役の加部亜門君


WOWOWで放送された全12話のネオ・ウルトラQ。当時はまだWOWOWを契約してませんでしたが、全12話を収録したBlu-ray2枚組がなんと2800円ほど。海外版ですが超高画質でした。

1966年のウルトラQ。見たのは再放送でしたが心がときめきました。本シリーズもオープニングやナレーションはかつてのウルトラQと全く同じ。でもなぜかつまらなく思うのです。結局気に入ったのは今回紹介する9話「東京プロトコル」だけ。ディスクは(断捨離で)処分しました。

温暖化で酷暑の東京。ヒロシ(右)の友人たちは半ズボンで野球をしている。

温暖化が進む地球。世界でCO2排出量規制が厳しくなった。東京ではCO2濃度が基準値を超えると停電となる。小学生のヒロシ(加部亜門)の父は小さな町工場を経営するが、頻発する停電で経営は悪化。借金で設備は差押え。

そんな時、工場などの煙突の上に、不気味なバルーンのような怪物が出現。CO2を吸引し始めた。CO2濃度はみるみる低下。停電は無くなりヒロシの父の工場も復活。東京には活気が戻る。しかしCO2を吸引して膨張した怪物はある日突然爆発。巨大な花が開花した。


地球温暖化防止に関する条約はCOP21などがありますが、現実の世界では各国の足並みが揃わず、あまり機能しているようには思えません(当時トランプ大統領にり米国脱退など)。本作品の設定では、それが厳しく運用されて東京プロトコルという仕組みらしいです。

ヒロシの父の町工場は電力不足で倒産寸前。東京は酷暑が続き、ヒロシの友人たちは暑さ対策?のため短い半ズボンをはいて野球をしています。そこへCO2吸引怪獣ブラーナが都合よく出現。電力問題が一気に解決したので、ヒロシの父も左うちわ。友人たちも半ズボンをやめてユニホームで野球。

さてこんな状態はいつまで続くのでしょうか。怪獣ブラーナが永久にCO2を吸引してくれる? 人々は心の中に疑念を持ちながらも何もしません。やがてブラーナは爆発して巨大な花になったところで話は終了。CO2はどうなったかは皆様がお考え下さい....とでもいうのだろうか。

この投げ出しが元祖ウルトラQに似ていて気に入りました。元祖で言えばバルンガ、又はマンモスフラワーの雰囲気。残りの話はどれも人間臭くて。強いて言えば2話「洗濯の日」が良かったのですが、わしは客だぞ!と叫ぶカスハラ爺さんが目障りで。怪獣はカネゴンぽくて良かったのですけれど。


父の町工場。誰も人はいない。
電力不足で稼働出来ないのだった。
工場は差押え。父はヒロシに謝る。
その時だった。空を見つめるヒロシ。


工場という工場の煙突に不気味な怪物が出現。吸引怪獣ブラーナだ。

ブラーナがCO2を吸ったおかげで東京の酷暑は収まった。
(半ズボンだった友人も長袖ユニホームが着れるようになった)

電力が回復し父の町工場が再稼働。忙しくなった。
それが当たり前になったが....空を見上げると怪獣ブラーナの様子がおかしい!


(参考)第2話「洗濯の日」より。洗濯怪獣ブレザレンが子供たちと町を闊歩する。
(この絵柄は完全に元祖ウルトラQの「カネゴンの繭」ですなぁ...)



※後記
2004年にTV東京系で「ウルトラQ dark fantasy」という番組がありました。これもウルトラQの続編なのですが、まだ見ていません。DVDがあるそうですので、見てみたいとは思うのですが。海外版のような廉価版はありませんので、ちょっと辛い。






▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼「テレビ番組」に戻る