消えた巨人軍

初回放送・製作 1978年9月1日・日本テレビ
作品評価 巨人の選手全員を誘拐。発想は面白いが最後は東映特撮っぽくなって。
お薦めポイント 選手が監禁されたのは大阪の高槻市だそうで...
関連情報など 全5話。DVD発売終了(中古あり)
写真は森川誠君。


ドラマや小説があった事は知っていましたが、阪神ファンの私に興味はありませんでした。2024年の6月になって東映チャンネルで一挙放送があり初めて鑑賞。今見るとなかなか興味深いドラマです。王選手はじめ巨人軍の選手たちが若くて懐かしい。

巨人軍選手が誘拐されたと言っても信じて貰えないヒサシ(左端)

刑事の左文字(藤岡弘)が新婚旅行で乗った新幹線に巨人軍の選手たちもいた。その選手たちが消えた。球団は左文字の上司である矢部警部に極秘捜査を依頼。新婚の左文字刑事が捜査にあたることに。矢部警部の孫ヒサシ(森川誠)は警部と母の会話から巨人軍選手が行方不明になった事を知る。友だちに言うが誰も信用してくれない。

新幹線は急病患者発生で岐阜羽島に臨時停車。巨人軍選手たちは偽の球団関係者が手配したバスに乗り換えた事が判った。左文字はこの急病患者の線から犯人に近づく。やがて大阪郊外の高槻市に選手がいる事を割り出し、近所の子供たち?の力を借りて選手を救出、犯人も逮捕した。選手たちはそのまま甲子園で阪神と対戦。


あの長嶋選手が引退して監督就任。しかし最下位に沈むなど巨人にとっては苦しい時代。それにカツを入れるために作ったドラマでしょうか。我が栄光の巨人軍がこんな無様なチームでは日本の栄光もありえません?なんて。今やサッカーなどに押されて巨人軍なんてどうでもいい時代(スミマセン言い過ぎました)

それはさておき、映像に映る選手たちは本当に懐かしい。まだ精悍な王選手。あの張本選手が王選手に次ぐナンバー2だったのですね。ただドラマのために撮影した映像は全く無く、すべてニュースや他の番組の映像からの使い回しのようです。日本テレビですので映像は沢山あるのでしょう。

球団関係者は社会的影響を恐れて誘拐を公表せず、たまたま球団広報課長が知り合いの警部に相談。これは今ならどうでしょう。初動対策として適切だったのか。誘拐された選手たちは、たかつきホテル?というラブホテルのような所で監禁されていますが、選手たちは素振りをしたり合宿所のような雰囲気。

主役の左文字刑事役は藤岡弘さん。どうみても仮面ライダー本郷猛。最後は変身して悪をやっつけるのでは。もちろんそんな事はありませんが、最後の場面で地元の少年たちを集めて「この辺りで巨人軍の選手たちが監禁されている。みんな探してくれ」なんて。この様子は完全に子供むけ特撮番組でした。

さて少年役の森川誠君。あまり本筋には関わりませんが、典型的な東京っ子の印象です。まじめで巨人が大好きで。大きくなったら若大将とかミスターなんとかになりそうな感じの子。


祖父の矢部警部と一緒に左文字刑事の結婚式に。
左文字刑事の花嫁は矢部刑事の娘さん。
新大阪行き新幹線。新婚旅行を見送る。
この新幹線に甲子園へ移動する巨人軍選手たちもいた。


祖父の矢部警部と母の電話を聞いてしまった。
(母は矢部警部の長女。左文字刑事の花嫁は次女)
誰も信用してくれず涙を流すヒサシ。
(警部の孫なら秘密を簡単に話しちゃだめでしょう!)


大阪の子に協力を要請する左文字刑事(仮面ライダー?)。
後は新幹線の高架。この風景は本当に高槻市かも。
(演じている子役さんは全員東京の子っぽい)
ヒサシの涙をみて信用してくれた友人たち。
巨人軍の本社(読売新聞社)へ行ってみよう!
(全員半ズボンにシャツ出し。左の大阪の子はシャツイン)



※後記
2024年3月に逝去されました鳥山明さんの「Dr.スランプ」には、中日の選手たちが誘拐される話があったように記憶しています。思い違いかもしれませんので間違っていたら申し訳ございません。本作と違って中日の選手たちは名古屋名物のパチンコにはまって借金で首が回らなくなり、身代金を貰おうと狂言誘拐だったというオチ。当時は大学生で少年ジャンプは毎週欠かさず読んでいましたので、そんな話があった気がするだけかもしれません。






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