少年唐丸(べらぼう)
初回放送・製作 |
2025年1月5日・NHK |
お薦めポイント |
謎の少年唐丸と主人公蔦重の絆。そして辛い過去。 |
関連情報など |
2025年のNHK大河ドラマ。 ここでレビューするのは1〜5話と18話のみ。 写真は唐丸役の渡邉斗翔(とあ)君。 |
正式な番組名は「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺(つたじゅう えいがのゆめばなし)〜」です。
これを書いている現在(2025年8月)、まだ放送中で最後がどうなるかも判っていないNHK大河ドラマのお話です。大河ドラマの最初は主人公の子ども時代からスタートするのですが、本作はいきなり青年の蔦重が登場。その代りというのでしょうか、謎の少年が出てきます。
この唐丸という少年。出番は少ないのですが非常に印象的で、きっと将来は有名な絵師に違いない、そんな話題がネットでも多数。もう少年の謎は番組で明かされてしまいましたので、ごく簡単にレビューとしてまとめました。
唐丸(渡邉斗翔)と蔦重(横浜流星)。
唐丸はどんどん仕事を吸収し、まるで蔦重のパートナーに。
江戸の吉原で貸本業を営んでいた蔦重(横浜流星)は、明和の大火(1772年)で避難中に放心状態で歩いていた少年(渡邉斗翔)を保護した。少年は記憶を失い、自分の名前すら言えないため、唐丸と名付けて店の小僧として使うことにした。元気を取り戻した唐丸は、気が利きいてどんな仕事も器用にこなす少年だった。
蔦重も唐丸を気に入り、どんな営業先にも一緒に連れて行く。そして驚いたのが絵の上手さ。唐丸を少年絵師としてデビューさせようと考える。しかしその矢先。唐丸の過去を知る不審な浪人が現れて、唐丸をゆすり始めた。店に迷惑をかけるのを恐れた唐丸は、浪人と一緒に川に飛び込んだ。浪人の遺体は上がったが唐丸は行方不明に。
上のストーリーは第5話まで。ここで少年唐丸は番組から退場。あっけない。いやすぐ再登場するはずだと期待していたのですが終わり。完全に唐丸ロス状態に陥りました。
ただ大河ドラマですので、ストーリーは何本ものラインが走っています。製本や出版の親方衆、吉原の花魁たち、老中の田沼意次、発明家の平賀源内。はっきり言って唐丸君のラインは下の方です。番組冒頭のキャストロールでも渡邉斗翔君の名前は終わりの方。何回か上に来る回もありましたけれど。
そして待ちに待った第18回。唐丸が再登場。しかし既に成人しており染谷将太さんが演じておられます。染谷さんも大熱演で、ふとした表情に唐丸少年の面影が浮かぶのはさすがです。そして再び蔦重とタッグを組んで、少年の時に果たせなかった夢を実現することに。稀代の天才画家、喜多川歌麿として。
しかしこの第18回では唐丸少年の出自が語られ、回想として渡邉斗翔君も登場。その過去が本当に悲惨。吉原でも最下層の売春婦の息子として生まれ、何と7歳から客を取らされたとか。しかし片岡鶴太郎さん演じる絵師に見込まれて弟子入りまで誘われたものの、母が拒否(今や自分より金蔓の息子?)。
そして明和の大火。焼け落ちた家の下敷きになった母を見捨てて一人で逃げた唐丸。しかしその罪悪感から自分も火の中に飛び込もうか考えていた時、蔦重に助けられたのでした。
これからドラマでは喜多川歌麿として活躍が始まるのでしょうけれど。もう少年唐丸が出てくることは無さそうです。回想シーンなどはあるかもしれませんけれど。それでも毎回はチェック(録画して早送り)はしようと思っております。
大火事の吉原付近で、放心状態の少年。
蔦重は放っておけず、少年を連れて帰った。
店の小僧として雇ったが、仕事覚えは抜群。
蕎麦屋の親父(左)にも可愛がられた。
唐丸は蔦重を「つたじゅう」と呼んだ。まるで兄弟。
そして仕事の話もすぐに理解した。
蔦重の髷を整える唐丸。まるでプロ級。
(そりゃ吉原で育ったんだし)
大きな夢を語る蔦重。それを聞く唐丸の瞳も輝いている。
大事な版絵が水に濡れてダメになった。唐丸はその絵を模写した。完璧な出来。
蔦重は言った。お前を少年絵師としてデビューさせるぞ。喜びに戸惑う唐丸。
希望に燃える唐丸の前に不審な浪人が現れた。母のヒモだった奴だ。
お前の悪事をバラされたくなければ、店の金を持って来い。唐丸は決心。地獄に堕ちよう...
唐丸が再登場する第18回の冒頭テロップ(部分拡大)。
今さら性に関する表現?吉原で既に遊女もおるやん。
母が男の客を連れてきた。少年の顔がこわばる。
自分の食い扶持くらい自分で稼げ。(これの事か)
下敷きになった母が少年の足をつかむ。
振りきって逃げた。罪悪感は残る。
(おまけ)子ども時代の蔦重。名は「からまる」
演じるは高木波瑠君。クックルンのクラムだ...
(出番はほんの一瞬でしたが)
※後記
火の中、水の中。唐丸少年は母を助けずに逃げた罪悪感で火事の火の中へ飛び込もうとしますが、蔦重に助けられました。また、このままでは恩義を受けた店に迷惑がかかると、浪人の隙を見て一緒に川の水の中へ。でも皮肉なことに唐丸少年だけが生き残って。神様はちゃんと見てくれていたのでしょう。
渡邉斗翔君のインスタを時々閲覧しますが、べらぼう主役の横浜流星さんをずっと慕っているのが微笑ましい。何とかもう一度共演してくれたら。少年のうちに。