哀しい気分でジョーク (1985年)

少年映画評価 7点
作品総合評価 7点
少年の出番 50%(準主役)
お薦めポイント 北野武と川辺太一郎君の抱擁シーン
映画情報など 1985年公開/DVD発売中(写真は川辺太一郎君)


漫才ブーム、人気がうなぎ登りのビートたけしさんの主演映画。後年に北野武さんが自ら監督した「菊次郎の夏」の先駆け的な作品です。

■ストーリー

不治の病に侵された息子の健(川辺太一郎君)を、父(北野武さん)は、離婚した妻(健の母親)に、最後に会わせてやろうと、オーストラリアに連れていく。コメディアンとして多忙な父は、それまで息子とスキンシップした事もなかった。

ぎくしゃくしながらの最後の旅であったが、そこで会った母親は、オーストラリアで再婚して可愛い女の子に恵まれて、幸せに暮らしている。結局、健はそれを見て、母親には会わずに帰り、寂しく死んでしまう。

このストーリーは、後年(1999年)、北野武が監督した「菊次郎の夏」と非常に似ており、この作品が何らかの影響を与えたのでしょうか。


北野武さんの顔が赤いのは夕日が当たっているせい(決して酔っ払っている訳では)

■北野武がコメディアン絶頂期の作品
白ハイソックスにデニム半ズボン
(当時の小学生男子の定番スタイル)

今でこそ、ヴェネチア映画祭などで絶賛される北野武ですが、この当時は映画監督になるなんて思ってもみなかった頃でした。「漫才師が、お涙頂戴映画に出てる」って程度で、バカにしていたのですが、実際に観てみると、判っているのに、ストレートに持って行かれた、そんな作品でした。

■川辺太一郎君

彼も、この当時「うちの子に限って」シリーズの常連で、TVでよく見る顔でしたが、ドラマでは平凡な役ばかりで、印象に残っておらず、そんなに魅力も感じない子役でした。

ところが、準主役(北野武の息子役)に抜擢されて、スクリーンで見ると、TVの軽薄な印象は消えてしまい、病魔に侵され、母にも捨てられしまう、切ない少年を見事に演じていました。

■TVでネタばれ

上に記したように、同時期にTVドラマ「うちの子に限って」が放送されており、1学期が終わり、さあ夏休みと、生徒たちが騒ぎながら帰っていく。

そのシーンで、川辺君が「おれ夏休みはオーストラリアに行くんだ」と嬉しそうに言っているのを、後日、ビデオをみて発見しました。

う〜ん、さりげなく業界内だけで通じるネタばらしをやっていたのか、と恐れ入った次第でした。

オーストラリアからの帰りの飛行機の中。息子の容体が




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