ジュブナイル (2000年)

少年映画評価 8点
作品総合評価 5点
少年の出番 75%(ほぼ主役)
お薦めポイント ロボットを操縦する遠藤雄弥君
映画情報など 2000年公開/DVD発売中(写真は遠藤雄弥君)


「Always3丁目の夕日」で大ブレイクした山崎貴監督ですが、得意のCGを駆使して製作した監督デビュー作。タイトル通りのお子様映画ではありましたが、秀作です。

■ストーリー

祐介(遠藤雄弥君)たち3人の少年は、キャンプで小さなロボット「テトラ」を拾い、祐介の家に持って帰る。その頃、宇宙人(ボイド星人)が地球の侵略工作を開始する。祐介たちは、エンジニアの青年(香取慎吾さん)の助けを借り、美少女(鈴木杏さん)も巻き込んで宇宙人と戦うことに。

美少女が誘拐されたり、なんだかんだ障害を超え、祐介は、結局は地球を救うために「テトラ」が創ったロボットに乗って戦い、宇宙人の征服を回避することが・・


■遠藤雄弥君の魅力たっぷり

ストーリーは、目新しい内容でなく、結末もすぐ読めてしまうが、誰もが安心して観れる作品、マンガのドラえもんのような作品です。CGの出来もよく、何よりも遠藤雄弥君が素晴らしいので、DVDなどで一見の価値はあると思います。

当時、人気絶大の美少女である鈴木杏が出演しているので、当然、彼女メインの映画かと思っていましたが、山崎監督は、彼女をかなり抑えて、少年達を前面に押し出す演出を行っており、非常に好感が持てます。(鈴木杏のファンの方には、物足りないと不評だったかもしれません。)

特に遠藤君をひいきした訳ではないと思いますが、遠藤君のアップが多く、彼の凛々しい表情が、お子様映画を引き締めていたと思います。米映画「ダリル」で戦闘機に乗った美少年バレット・オリバー君と印象が重なります。山崎監督も意識していたのかも。

この映画の後、遠藤君はNHKを始め、TVドラマで美少年役を演じてブレイクします。とは言っても少年の旬の時期は悲しいほど短く、成長と共にTVで見なくなりました。(でも知らなかったのですが、D-BOYSという若手俳優集団の首席格で、ミュージカルなどで活躍されているそうです。もうこのサイトの対象外ではありますが、男優として大成されるよう、陰で応援させていただきます。)

3人の少年たち
■山崎監督

DVDのメイキングで、監督と遠藤君がじゃれるシーンがありましたが、この監督は子役、中でも少年を扱うのが非常に上手いように思います。それが、Always3丁目の夕日でも活きてきて、大ヒットにつながったんだと思います。

なお、このジュブナイルでは、抑えてしまった美少女の鈴木杏さんも、次の作品「リターナー」では、しっかり演出したと聞いています。(申し訳ありませんが、ちゃんと観ていませんのでよく分りませんが。)

監督としては、脚本に必要な事を、当たり前に演出できる監督なんでしょう。なんとなく最近は、お気に入り女優を生かすためや、私情から、脚本を無理にねじ曲げたような作品を見ることが多いので、当然な事ができる監督は偉い?とも感じます。

■ジュブナイルのようなTVドラマをもっと

映画は制作費がかかるようですが、この映画のように、素直に少年が活躍するような実写TV番組をもっと作って欲しいものです。今の男の子たちが、もっと冒険に胸を躍らせる経験を幼少時に体験することは、きっと大人になって正しいロマンや夢を追いかけて、それが日本の再活性化につながるように思うのですけど。





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