ぼくとママの黄色い自転車 (2009年)

少年映画評価 8点
作品総合評価 6点
少年の出番 100%(主役)
お薦めポイント 武井証くんに癒されます。
映画情報など 2009年公開/DVD発売中
(写真は主役の武井証君)


2009年8月22日、ワーナーマイカルシネマズ茨木(大阪)にて鑑賞。

今年期待の1本。大阪では2館しか上映せず。最初は梅田ブルク7で鑑賞の予定でしたが、DLP上映でしたので、もう一つの映画館、大阪郊外のショッピングモールへ。画質はDLPの方がいいんでしょうけど、プロジェクター投影というのがどうも。(毎日仕事でパソコン画面をプレゼン。それを思い出してしまう)

■ストーリー

小学3年生の大志(武井証君)は、父親と2人暮し。母親はフランスでデザインの勉強をしていると、もの心ついた頃から聞かされていた。大志の宝物は、母からの手紙と誕生日に送られてきた黄色い自転車。ところが、母親はフランスではなく、日本の小豆島にいるらしい事が判った。父に聞いても否定されるだけ。

それならと大志は一人で母親に会いに行くことにした。黄色い自転車に乗って、ヒッチハイクをしながら。色々ありながらも、なんとか小豆島に着いて、母親の姿を見たのだが。


美しい小豆島の海辺。母と会うことが出来たが
■なんといっても武井証君

新堂冬樹氏の原作「僕の行く道」を読んでいましたので、ストーリーは頭に入っています。「子ぎつねヘレン」の河野圭太監督がどんな風な味付けをしているのかが焦点でしたが、まあまあの出来でした。

エピソードを消化するために主役の武井証くんに説明的なセリフが多過ぎたのがちょっと残念。まあ子供にも判ってもらうという映画でしょうから、仕方ありませんけど。

なんといっても武井証君。これに尽きます。最初から最後まで可愛い声と健気な演技に癒されました(仔犬も可愛いですが、やはり子役には勝てません、と私は思います)。それだけに最後のシーンでお母さんに会った時、もうちょっと違う演出をして欲しかったなあ。

「お父さんは嘘つき」とバタバタと怒るような演技でなく、じ〜っと自分を制したままで我慢し、でも、こらえ切れなくなって一筋の涙が落ちる、そんな演出の方が武井証君には似合っているのでは。

あと出演者で良かったのは明石焼屋の母子(「あかし」焼きって)。関西人の少女が出てくると必ずあんなキャラになるんですね。でも口は汚いけど、女の子らしくて可愛いかった。証くんとのコンビはいい味が出ていました。

雑誌でのインタビューや対談では、関係者の大人から絶賛されている武井証君、ちょっと優等生するぎるキャラクターは小学生の頃の神木隆之介くんと同じ。もう1年もすると声も顔も成長してしまうんだろうと思うと、なぜか切ないなあ。もっと今の武井君の演技をみていたい。そんな気にさせる子役さんです。

大阪で2館しか上映していないのに、初日1回目は半分も入っていませんでした(親子づれよりも、老夫婦みたいな客層が多く、なぜか私のような男性1人客もチラホラ)。ちょっと残念ですねえ。同日公開のホッタラケか何かは盛況だったのかもしれませんが、この映画にももっと客が入って欲しい。

河野監督の前作は「キツネ」をアピールして17億円の興収があったそうですが、今回は数億円も厳しそうです。また同じジャンルで「マリと子犬」は31億円もの興収に対し「あの空をおぼえてる」は散々な営業成績。これが今の日本の現状なんでしょう。

映画公開を前に父親役の阿部サダヲさんと
(雑誌でカラー写真が大々的に)
父子というより、デートのような雰囲気ですなあ





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