めでたいヤツららら (2012年)
少年映画評価 |
9点 |
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
100%(主役) |
お薦めポイント |
少年ミュージカル!で豊岡の町を散策 |
映画情報など |
2012年製作/動画配信中 (写真は主役の花岡拓未君) |
約20分の豊岡市PR短編映画。劇場公開はありませんが、ハイビジョン画質で動画配信。いつでも見れると思い、しばらく存在を忘れていたのですが、見てビックリ、なかなかの出来です。もう少し映画として、まとめていれば、間違いなく2012年最高の少年映画だと思います。
■ストーリー
中学生の聡太(花岡拓未君)は、両親の事情で1年前に横浜から、兵庫県の豊岡市へやって来た。(豊岡市は有名な城崎温泉のある町ですよ)しかし突然、横浜に戻ることになってしまった。
せっかく孝司(新美夏里史君)という親友もできたのに。明日は出発という日、聡太は孝司と二人で、豊岡市や城崎温泉の思い出の場所を歩くことにした。ロープウェイで山に登り、孝司から貰ったエロ雑誌を記念(何の記念?)に土に埋めていたところ、二人に万感の思いが湧きあがり、はじけてしまった。
二人は歌い、踊りながら、思い出の場所を次々に練り歩く。完全にミュージカルの世界になってしまった。やがて夜になるが、聡太はひとりで温泉街を歩く。この町もこれでサヨナラだ。夜が明けて、聡太は母と二人で列車に乗った。見送りは誰もいない。今日は水曜日で、孝司も学校だった。でも列車の窓から目にしたものは。あまりにワンパターンでしたが、これはこれでよし!
■豊岡市のPR、いや花岡拓未君のPR映画かも。
とにかく、よくある地方都市が作った町おこし映画(ジモティー映画)の枠を越えて、ぶっ飛んだ感じの映画でした。ここまでやれば爽やかです。
町おこし映画は、とにかく真面目に作っているのですが、田舎臭さが抜けず、脚本もワンパターンになりがち。そこで、本作品はあえてドラマを止めて、ミュージカルにしたのでしょうか。
中学生がいきなり歌って踊りだすのです。昔の仏ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」か。いや、インド映画の「踊るマハラジャ」シリーズかもしれません。
しかしとにかく花岡拓未君が可愛い。中学2年生ですので、声はもう変わってダミ声ですが、顔は、まだまだ可愛い童顔なのです。相手役の新美夏里史君は、ややお笑い芸人風ですが、二人のコンビがすごくいい。相性がよいのですね。
いや、もう20分があっと言う間。もっともっと2人を見ていたい。そんな作品でした。豊岡市や城崎温泉は是非行ってみたくなること間違いなし。そういう意味では大成功だと思います。それ以上に、花岡拓未君のファンになる人が大勢いるのでは。これは彼のプロモーションビデオと言ってもいいでしょう。
■男子中学生を撮らせればピカイチの女性監督。
それにしても、この2012年、アイドルといえば、AKB48を筆頭に、女子中高生から若い女性のグループが花盛り。マスコミの話題性だって女の子を使った方が100倍くらい効果的。
なのに、地味な少年俳優を使ってくれた心意気が素晴らしいじゃありませんか。きっと企画段階では、大反対があったのでしょうねえ。監督、脚本は呉美保(お・みぽ)さん。
あの映画「酒井家のしあわせ」で、中学生だった森田直幸君を魅力的に撮った監督さんでした。今回も、本当にいい仕事をしています。
■おまけ<ギャラリー>
20分と短編なのが残念ですが、少年映画ファンなら必見の作品ですので、ぜひともyoutubeで鑑賞して下さい。いつまでUPされているのか判りませんので、本サイトには珍しくギャラリーを設けました。
これが一番好きなカットです。二人の少年の歩く姿は本当に絵になります。
いきなり踊り出す。恥ずかしい年頃の少年。これが面白い。
行商のおばあさんと。いいですねえ。
夜の城崎温泉街。寂しそうに歩く姿。