ぼくだけの宿題 (2012年)

少年映画評価 8点
作品総合評価 7点(まるでフランス映画を見るような...)
少年の出番 95%(完全に主役です)
お薦めポイント ラスト。バスを下りて泣きながら歩く少年
映画情報など 2012年製作。未メディア化。配信あり。
(写真は主役の宮城孔明君)


2012年製作ですが全く知りませんでした。2020年になってAmazonプライムビデオで視聴。(この情報は、子役ファンAさんのTwitterで知りました。本当にいつも情報有難うございます。)

本作の直前に女の子が少年を演じる映画「君がいる、いた、そんな時。」を見て歯がゆい思いをしただけに、本作のような正統派の少年映画をみる事が出来て本当に有り難く思っています。

61分。ストーリーはごくシンプル。思春期に入った少年の初恋をまるでフランス映画のように叙情たっぷりに描いています。監督さんにしっかり愛情を注がれた少年俳優は光っています。これが少年映画ですよ!

後のバスを下りて歩いてきた少年。ロングショットからズーム。顔がゆがんでいる...
(この歩きながら泣き出す少年の演技が本当に...)
■ストーリー

神奈川県三浦半島のある町の夏休み。キョウタ(宮城孔明)たち3人組はお寺でラジオ体操。終了後カードにスタンプを押すのは女子リーダー。これが遅いので3人組はスタンプを奪ったり、水をかけたりと...

東京から来た美少女アヤ(中原ありす)が体操に参加。アヤが落としたボタンを拾ったキョウタは一目惚れ。それに気づいた若い僧侶(岩佐裕一郎)はキョウタをけしかける。好きなんだろう?キョウタは告白できないまま夏休み最後の日。アヤが東京へ帰るバスに乗り込んで告白。ス..スキです。

次のバス停で下りたキョウタ。黙って歩く。歩いているうちに涙が...

■最後の涙の意味は...

アヤが東京に帰るバス。発車直前にキョウタもバスに乗り込んだ。消え入りそうな声で「好きです」アヤは笑顔で「有り難う」うまくいったじゃないか!しかし次のシーンでは1人でバスを降りるキョウタ。

ただ黙って歩く。涙が止めどなく流れてくる。告白できた嬉し涙? とてもそんな風には見えません。
夏休み全部をアヤに捧げたようなもの。大の親友だった3人組の1人ショウ(植草賢)。アヤと会うためにショウとの友情が壊れてしまった。そんな犠牲を払ったのに...

涙の意味は本作を観た人それぞれ解釈があるでしょう。ともかく少年が泣きながら町を歩くシーンが、昔のフランス映画のロマンスを彷彿させるのです。宮城孔明君。ちょっとエラが張っていますが美少年です。本当に少年らしいいい表情。これぞ少年俳優!

■そして男子はいなくなる...

映画の本題とは関係ありませんがラジオ体操。最初は男女一緒でしたが、ショウの横暴?に女子がキレて僧侶に文句。若い僧侶は女子の言うがままにショウを叱る。俺や〜めたとショウ。そして男子は1人去り、2人去り、最後はキョウタだけ。(キョウタはアヤに会いたいのでしぶしぶ残っていましたが)

実は横暴だったのは女子の方。カードにスタンプを押す役を独占しながら「きゃーこれ可愛い」などと女の子同士でおしゃべり。ショウや男子が怒るのも無理はありません。こんな風に男子はいなくなってしまうのでしょうか。少年少女合唱団に男子がいなくなるのも同じ...

アヤが横を通り過ぎた。ワンピースのボタンが落ちた...
(キョウタの座る階段。映画「誰も知らない」っぽい...)
ラジオ体操。アヤしか目に入らない
(アヤの服は夏休み中、ボタンがとれたまま...)


若い僧侶は、アヤの情報を1日1つ教えてやるよと。
アヤはカッコいいのが好きだそうだ...
カッコいい?キョウタの宝物はナイキのシューズ
アヤの前で紐結び。でも見向きもしてくれなかった...


次の情報。作家はサリンジャーが好きだそうだ...
「ライ麦畑でつかまえて」を買ったが単なる睡眠薬?
僧侶の策略で、アヤとキョウタ2人で買物に。
サリンジャーは好きでないと言われ...


左はショウ。大親友の3人組だった。
(右の子の名前が判らなくて...)
最後は神、いや仏さま頼み。
アヤさんが好きです。お付合いできますように。


涙が止まらない。どうしてだろう...
(これは本泣き?演技力抜群です...)
ラスト。吹っ切れた。ショウとも仲直り。
(ランドセルが新品。6年生なのに。ドウデモヨイコトデスガ)



※後記
映画の舞台はお寺。若い僧侶は寺の住職の息子。脱サラして戻ってきたようですが、全く修行が足りていません。でもこういうお寺は心が和みます。葬式で稼ぐばかりではなく、地元の子供たちに愛されるお寺になって欲しい。







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