世田谷区,39丁目 (2014年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 6点
少年の出番 100%(少女俳優も出ますが)
お薦めポイント いわゆるパラレル・ワールドもの
映画情報など 2014年公開/DVD等未発売(写真は下田翔大君)


映画「ペダルの行方」と同じく、ndjc(若手映画作家育成プロジェクト)in ユーロスペース ベストセレクションで上映されたものです。

山の不思議な場所の入口でたたずむ少年と少女。果たして二人は元の世界に戻れるのでしょうか
■ストーリー

小学5年生の航(下田翔大君)はある日、両親と一緒に郊外の山へハイキングに出かけ、不思議な場所に迷い込む。そこで見たものは、もう一人の自分だった。驚いてその場所を離れて、両親が休んでいる場所に戻ったが。

あんなに優しかった両親が、まるで別人のように暴力的な人間に変わっている。家に帰ったが、地名のプレートが「世田谷区39丁目」と聞いた事のないものになっている。それまでは世田谷区砧8丁目だった。

小学校へ行っても、担任の先生は見たこともない男性教師で、先生も生徒も暴力が横行していた。そんな中で、一人の少女と会った。彼女もまた、あの山の場所を経由して、この世界にやってきたと言った。しかし彼女がここへ来る前の世界は、もっと狂気の世界だったという。

航と少女は、この世界を逃げ出して、元の世界へ戻ろうと、あの山の場所へ向かう。そして別の世界にスリップすることが出来た。しかしそこは・・

■「ルート225」の世界

よくあるパラレル・ワールドものです。それを30分の短編で描こうとするのですから、ある意味大したものです。ちょっと大昔のNHK少年ドラマシリーズ(タイムトラベラー、謎の転校生など)を思い出しました。

また、よく似た映画に、多部未華子さん主演の映画「ルート225」がありました。これは長編映画でしたが、30分の本作品も密度的にはひけを取りません。

少年だけでなく少女とのダブル主役という感じでしたが、いい感じで感情移入できて、その意味でも脚本が良かったと思います。下田翔大君は、この映画の後、映画「くちびるに歌を」で印象的な中学生を演じ、その後はTVドラマなどでも活躍しています。今後、若手の注目株の一人であることは間違いありません。

■東映チャンネルでの放送

本作品については、2015年の3月に衛星放送の東映チャンネルで放送されるとのアナウンスがありました。DVD化は期待できそうにないので、衛星放送をご覧になれる方は、見ていただければと思います。しかし東映チャンネルは高いのがねえ。

(追記)
その後、BSスカパーチャンネル(241)で、ndjc作品が一挙に放送されました。このチャンネルはスカパーに加入の方なら無料で視聴できます。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼少年映画第3部へ戻る